江坂任は今。韓国で奮闘するチャンスメーカーの苦悩「100%にはほど遠いパフォーマンス」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 隣国のサッカーに順応することの難しさを口にする江坂が、「日本との違い」として挙げたのは、主に2点。

 まずは、「日本よりはロングボールが多いので、そのなかで自分のよさを理解してもらって、そのよさを出していかなきゃいけない」ということ。

 そして、「他のチームはわからないけど、蔚山に関しては(プレーの約束事に)そこまで細かいディテールはないので、うまく選手同士で合わせていくしかない」ということだ。

 いずれにしても、ひとたびパスを受ければ、時にワンタッチで、時にタメを作って、多彩なキックを駆使してビッグチャンスを作り出す。そんなプレーを得意とする江坂にとっては、自身の特長を発揮できるかどうかを左右する重要なポイントである。

 江坂が続ける。

「言葉の壁だったり、文化の違いもあるので。そこをうまく理解して、理解してもらって、というのが難しい部分かなと思います」

 しかしながら、試合中の江坂を見ていると、しばしば前線の選手やDFラインの選手と言葉をかわす様子が見てとれる。背番号31が言葉とともに繰り出す大きな身振り手振りを見ていると、スタンドの記者席からでも彼が何を伝えたいのかがおおよそわかるほどだから、きっとチームメイトも理解できているに違いない。

「一応(コミュニケーションは)とれてはいるんですけど、ゲームのなかで流れや状況が変わるので......。でも、自分が伝えたいことは伝えようと思っています」

 そんな前向きな姿勢がひとつの結果となって表れたのは、6月に行なわれた第18節の済州ユナイテッドFC戦。江坂はこの試合で、記念すべきKリーグ初ゴールを決めている。

「だいぶ時間はかかりましたけど、それはよかったかなと思います」

 そもそも江坂は、チームのなかでも明らかにボールを扱うテクニックに優れているうえ、ボールを止めたり、蹴ったりする時のちょっとしたフェイントで相手選手の逆をとる技術にも長けている。周囲との連係さえとれてくれば、ゴールが生まれるのも時間の問題だったのだろう。

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