三笘薫がほかの子どもたちと違っていた部分とは 小学生時代のコーチが語る (3ページ目)

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • photo by Kishiku Torao

【10得点10アシストはマスト】

 川崎フロンターレの公式サイトに、三笘が書いたアンケートが残っている。「影響を受けた指導者」の欄には、「髙﨑康嗣さん」とある。成長に必要だと思えば、厳しいことを言う優しさを持った指導者は、三笘の将来に向けて、次のようにエールを送る。

「プレミアリーグも日本代表もそうですが、カオルがいる環境が厳しさを教えてくれると思います。その競争に勝ち抜くことで、すべてを掴むことができるはず。当然、勝ち抜かなければ切られる世界なので、まずは2桁を出すこと。カオルの立場では、10得点10アシストはマストかなと思います」

 世界を目指せと言い続けてきた髙﨑が、世界を主戦場とする教え子に対して要求する"ダブル"(2桁得点、2桁アシスト)。

 その言葉には、小学生時代にかけていた「いまのままで満足するな」という叱咤激励が込められているような気がした。

◆後編「『あんな子は見たことがない』久保建英の驚きエピソード」>>

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髙﨑康嗣 
たかさき・やすし/1970年4月10日生まれ。石川県金沢市出身。大学卒業後、指導者の道へ進み、2002年から2015年まで川崎フロンターレに在籍。2006年から2011年にはU-12チームの監督を務め、板倉滉、三笘薫、田中碧、久保建英など、多くのプロ選手の指導に携わった。2016年からはいわてグルージャ盛岡コーチ、専修大学監督、新潟医療福祉大学コーチ、テゲバジャーロ宮崎監督を歴任。現在はフガーリオ川崎のアドバイザー、尚美学園大学のコーチを務めている。

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