古橋亨梧、前田大然ら日本人選手との相性は? 監督交代したセルティックの2023-24シーズン (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by PA Image/AFLO

【実績は十分なロジャーズ新監督】

 しかし宮本は、こう言って胸を張ったものだ。「私の姿はCLを目指そうとする日本人選手の参考になったと思う。必ずしもビッグクラブに入らなくても、CL出場が狙えることを、後に続く人に示すことができた」と。

 その12シーズン後(2019-20シーズン)、宮本がつけた道筋に従うようにザルツブルクからCL本大会出場を実現したのが南野拓実だ。グループステージでリバプールと対戦すると、対戦相手の監督ユルゲン・クロップに見初められ、そのシーズン途中、リバプールへの移籍を決めるというシンデレラストーリーを描くことになった。

 旗手怜央には依然として移籍話が燻っていると聞くが、古橋亨梧、前田大然は今季もセルティックでプレーすることがほぼ決まっている。巣立っていったのは監督のポステコグルーだった。招聘されたのはトッテナム・ホットスパー。つい2年前まで横浜FMの監督だったことを考えると、2階級特進どころの話ではない。監督としてシンデレラストーリーを描いている。

 今季からポステコグルーに代わって采配を振るのはブレンダン・ロジャーズだ。前レスター監督であり、元リバプール監督。セルティックでも2016-17シーズンから3シーズン弱、采配を振った経験がある。少なくとも世界的知名度という点で、ポステコグルーに大きく勝っている。

 セルティックというチームの特異性をそこに見る気がする。実力的にはプレミアの降格圏にあっておかしくないチームながら、一方で名の知れた実績十分の監督を招く力がある。同じグラスゴーのライバルチーム、レンジャーズにも言えることだが、スタジアムに足を運べば、サッカーの母国の香りと言うべき、文字通りの本場感を堪能することができる。そこにマイナー色は微塵もない。

 セルティックの本拠地、セルティックパークは約6万人収容のビッグスタジアムである。レンジャーズのホーム、アイブロックスは約5万人収容ながら、UEFAから欧州最高級を意味する4スター・スタジアムに認定されている。

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