「小野伸二を思い出す」 オランダ人に「どハマりした」パリ五輪世代・斉藤光毅は「手に負えない左ウインガー」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

【ファン・ホーイドンク大絶賛】

 今季のスパルタには、14ゴール12アシストを記録したFWヴィトー・ファン・クローイと、ビッグセーブを連発したGKニック・オライという絶対的な中心選手がいた。一方で斉藤は、ワールドカップ中断前は1ゴール3アシストに過ぎなかったものの、今年に入ってからスタッツを伸ばし、最終的に7ゴール5アシストというキャリアハイの数字を叩き出した。

 だが、ファンにとって今季の斉藤は、2アシストを記録したデビューマッチから愛すべき選手──つまり『記録より記憶』の選手だ。

 エメン戦でゴラッソを決めるとラジオの実況は「誰にも見ることのできない隙間が、斉藤には見えている。そこをドリブルで打開してゴールを決めるプレーはマジック!」と叫び、トゥウェンテ戦を報じた通信社は「手に負えない左ウインガー、斉藤光毅」と書いた。

 テクニカルでスピードがあり、観客席に近いサイドライン際で敵を翻弄してファンを沸かし、ピッチの中央にポジションを移すと巧みにラインの間でボールを受けて相手を脅かす──。そんな斉藤のプロフィールは、攻撃サッカー好き・サイドアタッカー好きのオランダ人にどハマりする。それは、かつてのスーパースターの称賛の声からもうかがい知れる。

 オランダ・NOS局のサッカートーク番組『ストゥディオ・フットボール』は、今季の最終回で「オランダリーグの真珠」というテーマを討論した。ここでの「真珠」とは「若手のホープ・未来のスター」などの意味を含む。

 2001-02シーズン、フェイエノールトをUEFAカップ戴冠に導いたエースFWピエール・ファン・ホーイドンクは「今季最高の若手は斉藤光毅だ。彼のプレーを見ていると、かつてのチームメイト、小野伸二を思い出す」と言った。

「(焦ったように)言いすぎ、言いすぎ。全然、言いすぎです。まだ、そんな結果を残していないし。自分は強い相手から点を取ってないんですよ」(ファン・ホーイドンクの称賛の言葉を聞いた斉藤のコメント)

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