ベンゼマが去り、モドリッチの後釜を獲得...世代交代がジワリと進むレアル・マドリードの来季はどうなる? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

【ベンゼマの後継者は?】

 ベリンガムの補強で中盤は充実した陣容になった。バロンドーラーのモドリッチを筆頭に、トニ・クロース、オーレリアン・チュアメニ、エドゥアルド・カマヴィンガ、フェデリコ・バルベルデ、そして今年6月末で契約満了のダニ・セバージョスも更新の可能性が高い。ミランで功成り名を上げた攻撃的MFブラヒム・ディアスの復帰も決まり、戦力は壮観だ。

 センターバックにはダビド・アラバ、エデル・ミリトン、アントニオ・リュディガー、そしてポリバレントなナチョがいる。ナチョは6月末に契約満了で引く手あまただが、残留が確定的と言われる。右サイドバックはダニ・カルバハル、ルーカス・バスケスで安泰。ただ左サイドバックはフェルラン・メンディのケガと不調が深刻で、カマヴィンガやアラバを緊急的に起用したが、ラージョ・バジェカーノから500万ユーロ(約7億5000万円)でフラン・ガルシアを買い戻した。バイエルン・ミュンヘンの22歳のカナダ代表アルフォンソ・デイビスとの交渉も大詰めだ。

 では、肝心のベンゼマの後継者は?

 そもそも、アタッカー陣の陣容が手薄になっている。エデン・アザールは契約解除、マルコ・アセンシオ、マリアーノ・ディアスは契約満了。ゼロトップを含めて、ベンゼマの代役を担った選手は次々に退団している。カスティージャ(セカンドチーム)のウルグアイ代表アルバロ・ロドリゲスを引き上げたり、ブラジル代表ロドリゴをゼロトップで起用するのはひとつのプランだが、やはり有力ストライカーの補強は急務だ。

 そこでエスパニョールのスペイン代表ホセルやチェルシーのドイツ代表カイ・ハベルツ、トッテナムのイングランド代表ハリー・ケインに食指を動かしているが、交渉は難航している。ホセルはあくまでバックアッパー、ハベルツはゼロトップタイプだ。ケインは世界トップクラスの点取り屋で前線のプレーメイクもできるが、プレミアリーグでの戦いが染みついた英国人選手は、過去、レアル・マドリードで苦しんでいるのは気になるところだろう。

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