スペイン人記者が選んだ今季ラ・リーガのベストイレブン 「デュエルで相手を圧倒」「実力を世界に知らしめた」GK&DFたち (2ページ目)

  • マリオ・コルテガナ●文 text by Mario Cortegana
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【デュエルで相手を圧倒】

DF/ロナルド・アラウホ(バルセロナ/24歳/ウルグアイ)

 今季、4季ぶりにリーガ優勝を成し遂げたチームにおいて、名実ともにリーダー格のひとりだった。

 強靭なフィジカルを武器に、足元と空中戦の両方のデュエルで相手を圧倒し、その類稀なスピードにより、チームがDFラインを高く上げて守備をすることを可能にした。またボール扱いにも優れ、最終ラインでプレーの起点となり、攻撃参加する際もその能力を存分に発揮した。

 アラウホの存在は試合結果に大きな影響を与えており、不在時のバルセロナは何度も勝ち点を落としていた。それが特に顕著になったのは、昨年10月サンティアゴ・ベルナベウで行なわれた前半戦のクラシコ。レアル・マドリードに1-3の惨敗を喫し、その存在の大きさを感じさせた。

 カンプ・ノウでは毎試合、サポーターがアラウホに敬意を表し、「ウルグアージョ、ウルグアージョ!」と大合唱するのが習慣になるほど、皆に愛される存在となっている。

DF/ダビド・ガルシア(オサスナ/29歳/スペイン)

 戦術的な資質を備えた選手であるダビド・ガルシアは、特にハイボールに対して絶対的な強さを見せ、リーガ屈指のセンターバックであることを証明した。

 試合の流れを読む力にも優れ、インターセプト数でトップ10入りし、ボールリカバリーも多かった。安定した守備に加え、ボール扱いに長けており、ロングパスの精度の高さはリーガでトップクラス。さらに自陣でのパスの正確さにも光るものがあった。

 チームでリーガに最も長く出場した選手となり、オサスナが来季、16年ぶりにヨーロッパの舞台(カンファレンスリーグ)へ返り咲きを果たせるのは、ダビド・ガルシアの働きが大きかったとサポーターに認識されている。

 このような活躍がスペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督の目に留まり、今年3月に初招集されてデビューを果たすまでに至っていた。サッカー選手としては遅咲きだが、今まさにサッカーの醍醐味を味わっているところであり、非常にすばらしい忘れ難いシーズンを過ごせたことに誇りを感じているはずだ。

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