久保建英、三笘薫、上田綺世...... 福田正博が「スタメンを張る選手が増えた」と感じた今季欧州サッカーの日本人選手の活躍を分析 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

【スタメンを張る日本人選手が増えている】

 ほかにも話したい日本人選手は多いが、そのなかでスコットランドで三冠を達成した、セルティックの古橋亨梧と旗手怜央に触れたい。

 古橋はリーグ戦27ゴールで初の得点王になり、リーグMVPも獲得。セントラルMFとして攻守で存在感を示した旗手は32試合6得点。今季の三冠達成に不可欠な存在だった。

 だが、5大リーグでプレーする日本人選手が多いことや、セルティックとレンジャーズの「2強+その他」というリーグにあっては、彼らの真価をはかる難しさはあった。

 そうしたなか、プレミアリーグのトッテナムの来季の新監督にセルティックを率いたアンジェ・ポステコグルー監督が決まった。ポステコグルー監督のサッカーを具現化できる古橋や旗手を、ぜひとも一緒に連れて行ってもらいたいと思う。

 世界最高峰の舞台で古橋と旗手がどこまで通用するのか。そのパフォーマンス次第では彼らの評価は世界ではもとより、日本代表を率いる森保一監督からもさらに高まっていくのではと思う。

 日本人選手が所属するクラブのレベルは、以前なら各国リーグのなかで下位のチームがほとんどで、ビッグクラブに所属していてもベンチ要員というケースも多かった。

 しかし、いまは各国リーグでCL出場権やそれに続くヨーロッパでのコンペティションに出られるチームで、スタメンを張る日本人選手が増えている。この流れが来季はさらに加速して、5大リーグの上位争いをするクラブでスタメンとして毎試合出場する日本人選手が増えることを期待している。

福田正博 
ふくだ・まさひろ/1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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