給与未払いでオーナーは暴言、トラに遭遇、3日間停電...昨季インドでプレーした日本人サッカー選手が語る「すべてが想像以上だった」生活 (5ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Uchida Kosuke

「道路では車が逆走してくるし、試合の遠征先のホテルのツインルームに4人で泊まらされたとか、びっくりすることはたくさんありました。ただ、行く前はインド人に対して怖いとか、騙されるんじゃないかというよくない印象もありましたが、自分と関わったほとんどの人は親切で、優しかった。1シーズン通してプレーできなかったことに残念な思いはありますが、行ったことに後悔はないです。

 待遇に関しては、僕がプレーしたデリーFCもスデバも東南アジアなどのリーグと比較しても、よくなかった。普通なら行きたくないと思うかもしれないですが、僕はそんなことをわかったうえで行ってみたかったんです。もちろん、僕が行ったのはキャリアの最後で、サッカー選手のキャリアを作っていく若い選手にはあまり進められません。いろんなリスクがあるのは確かですから(笑)」

 ラオス、ミャンマー時代はリーグ優勝も経験。バーレーンでは初の日本人選手としてもプレーした内田は、スデバ・デリーでのプレーを最後に現役引退。今年の春からは、大阪の追手門学院大学のサッカー部の監督として、指導者の道を歩み始めている。

プロフィール
内田昂輔(うちだ・こうすけ)
1987年10月生まれ。滝川第二高校、立命館大学を卒業後、2010年に大分トリニータに加入。1年目にJ2で19試合に出場したが、2年目はケガでほぼ1年を棒に振ることに。FC琉球を経て、2013年からモンテネグロ、オーストリア、ラオス、インドネシア、ミャンマーなどのリーグを渡り歩き、2022年にインドへ。Iリーグ2のデリーFC(プレシーズンのみ)、Iリーグのスデバ・デリーのプレーを最後に引退。2023年より追手門学院大学サッカー部監督を務める。

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