「現代における理想のウィングバック」菅原由勢は五輪落選、負傷、W杯落選を"肥やし"にしてオランダで日本人トップとなった (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

【ヨーロッパ基準を肌で体感】

 強豪チームと対戦したり、日本人選手のいるチームと戦ったり、5月にはカンファレンスリーグの準決勝の舞台でも戦った。

 しかし、私が今もすぐに思い浮かべるのは、菅原にとってオランダでのルーキーイヤーのアントワープ戦。この試合はヨーロッパリーグのグループステージ進出をかけたプレーオフで、完全敵地のなか、敗戦濃厚だったAZが脅威の粘りで延長戦に持ち込んで競り勝った。

「俺もアントワープ戦が一番記憶に残っているかもしれない。どれだけヨーロッパリーグが価値のある大会か、正直、日本から来たときはわかっていなかった。AZがどれだけヨーロッパリーグ進出にかけているか、それがめちゃくちゃ伝わりました。

 言葉では難しいですけども、見たら『コイツら、この試合にすべてをかけているな』というのがわかる。僕は運よくヨーロッパリーグに2回、カンファレンスリーグに2回、4シーズン連続でヨーロッパの大会に出ることができました。

 つまり、欧州のカップ戦に出ることが、AZにとっても、自分にとっても"基準"になっている。だから、アントワープ戦はターニングポイントだったと言っても間違いないです」

 ネーションズリーグが誕生したことで、日本代表がヨーロッパの国々と親善試合を組むことはかなり難しくなってしまった。欧州のクラブに所属する日本人選手たちが、欧州のみならず各大陸の選手たちと戦うことは、今後ますます大事になってくるのだろうか?

「どうなんですかね。それに関してはわかりません。3月に試合をしたウルグアイ、コロンビアはヨーロッパでバリバリやっている選手がいるわけなんで、中南米の国にも『ヨーロッパ基準』はある。6月のエルサルバドル、ペルーもいい対戦相手です。

 もちろん、ヨーロッパの国と対戦して、自分たちのサッカーをやって勝っていかないといけないとは思いますが、それはネーションズリーグがあるので難しい。でも、たしかにヨーロッパでプレーすることは、ヨーロッパ基準を知るうえで大切なのかなと僕も思います」

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