風間八宏が解き明かすレアル・マドリードの「特殊な能力」の正体 シティとのCL準決勝のキーマンはベンゼマ (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

【ベンゼマがキープレーヤーになる】

 そんな無類の勝負強さを誇るレアル・マドリードだが、風間氏は準決勝を見るうえでどの選手に注目しているのだろうか。

「おそらくシティがボールを握る展開になる可能性が高いということを踏まえても、レアル・マドリードで攻撃のキープレーヤーとなるのはベンゼマでしょう。

 特にベンゼマはどこでプレーしていても時間を作ってくれますし、シティが彼を消そうとしても、なかなか消すことができないのがベンゼマという選手です。ペナルティーエリアの中で抜群の技術と動きでハイレベルな仕事ができるうえ、自陣に押し込まれている状況でも、彼とヴィニシウスの2人だけでゴールを奪うこともできる。チームとしては、ベンゼマとヴィニシウスがいつも戦える状況を作っておけばいいわけです。

 そのほかの選手で攻撃のカギを握るのは、自由度の高い動きをするモドリッチとクロースですね。同じように自由度の高い動きをするシティのデ・ブライネを「1」とすれば、モドリッチとクロースは2人で「2」でなく、「2.5」の力を発揮することができるからです。

 逆に、守備のキープレーヤーはGKティボー・クルトワです。DFラインではエデル・ミリトンが第1戦を累積警告で欠場しますが、ダビド・アラバも負傷から戻ってくるようですし、代わりはほかにもいますが、クルトワだけは唯一無二の存在。チェルシー戦でもそうでしたが、最後に彼がシュートを止めてくれるので、DF陣は随分と助かっていると思います」

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