マンチェスター・シティの「今までにない強さ」を風間八宏が解説 CL準決勝のキーマンも語った (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

【デ・ブライネがたくさんボールに触れるかどうか】

 では、そんな強さを誇るシティは、具体的にどのような戦い方を特徴とするチームなのか。ストロングポイントも含めて、解説してくれた。

「前提として、このチームは自分たちのかたち、枠組みをしっかり持っています。選手たちのポジションの入れ替わりも計算されていて、それをみんなが共有しているので穴が開かない。それが安定して戦えている要因になっています。

 たとえば、準々決勝第2戦のアウェーでのバイエルン戦では、第1戦で3点差がついていたこともあって、逆転を目指すバイエルンが開始から攻勢に出ました。その結果、通常であれば自分たちが敵陣でボールを保持するシティが、あの試合はその逆の立場になり、バイエルンが押し込む時間が長くなりました。

 ところが、3点のアドバンテージがあったからか、シティはイタリアのチームのような強固な守備を自陣で披露。いつもは押し込まれた時でも前線に残っているハーランドも、あの時間帯では一緒になって守備に加わっていました」

 攻めてよし、守ってもよし。今シーズンのシティが順調に4強まで勝ち上がった背景には、攻撃のみならず、安定した守備もあったというわけだ。

 続けて、風間氏はシティの好不調を計るバロメーターについて言及した。

「基本的にこのチームが目指しているのは、押し込んで攻撃すること。それが最大の武器ですから、そういう意味では、計算された枠組みのなかで自由度の高い動きをするケビン・デ・ブライネがたくさんボールに触れるかどうかが、調子を計るバロメーターと言えます。

 しかもデ・ブライネは、相手に押し込まれている状況でも、ハーランドと2人だけで速攻からゴールをアシストしたり、自ら決めたりしてしまう力もあります。相手にとっては、自分たちが押し込んでいる状況でも脅威に感じる選手が前線に2人いるので、一瞬たりとも油断ができない。本当に止めるのが難しい選手だと思います」

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