マンチェスター・シティ対アーセナルで盛り上がる現地 プレミアリーグ首位決戦で優位なのはどちらか (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

【マンチェスター・シティに堅守が際立つ数字】

 ただし、ウェンブリー・スタジアムで披露した直近のパフォーマンスを見るかぎり、3つのタイトルを視界に捉えて然るべき、高いクオリティーと厚い選手層があるように思えた。

 この日は3枚とも4枚とも受け取れる最終ラインを敷き、本来レフトバックのセルヒオ・ゴメスが中央に入る時間が多く、やや慌てた開始直後を除き、ほぼ敵陣でポゼッションを維持。この22歳の新戦力に加え、生え抜きの3人組、22歳のフィル・フォーデン、20歳のコール・パーマー、18歳のリコ・ルイスも快勝に貢献している。

 おそらくこのうちフォーデン以外、アーセナル戦で出番はなさそうだが、今季リーグ戦ですでに32ゴールを記録して得点王をほぼ確定させているアーリング・ハーランドも22歳だ。精密機械のようにパスを回し続け、随所で若い力が躍動し、抜群の決定力を備えるアタッカーを擁するシティに死角はないように見えた。

 おそらく水曜日(現地時間)は、バイエルンとのCL準々決勝のように、中盤によりタフな選手(ロドリとジョン・ストーンズが有力か)を置き、まずは失点を避けようとするのではないか。実際、今季は国内外で堅守が際立っている──1試合平均失点はリーグ戦で0.93、チャンピオンズリーグで0.4、FAカップではチェルシーやアーセナルと対戦してきたというのに驚愕のゼロ。それはハーランドという絶対的なストライカーを迎えたことによる相乗効果かもしれないし、監督が言うように「誰もがよりチームのコンセプトを理解している」からかもしれない。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る