CL優勝はマンチェスター・シティかレアル・マドリードかバイエルンか 決勝までの組み合わせ決定で、識者3人が大予想 (3ページ目)

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【レアル・マドリードは今季も健在】

杉山茂樹(スポーツライター)

◎本命=レアル・マドリード 
○対抗=ナポリ 
△穴=マンチェスター・シティ

 マンチェスター・シティ対バイエルン。ブックメーカーをはじめとする大方の予想で、本命と対抗に挙げられている両チームが準々決勝で早くも対戦。星の潰し合いをする。一方、準々決勝でチェルシーと対戦する3番人気のレアル・マドリードは、この一戦に勝利すればその勝者と準決勝で対戦する。

 こちらサイドの山に強豪が集まった。1番人気から3番人気までの3チームと5番人気のチェルシーだ。この抽選結果を受け、チャンス到来とばかり大喜びしているのは4番人気のナポリだ。決勝へ進出する可能性はどこよりも高い。

 そしてなによりルチアーノ・スパレッティ監督のサッカーが面白い。セリエAで断トツの首位を走り早くも優勝間近であるため、CLに専念できる余裕がある点も強み。大会の焦点はナポリの相手探しと言ってもいいくらいだ。

 その相手に推すのは、マンチェスター・シティ、バイエルンではなく、昨季の覇者レアル・マドリードだ。

 振り返れば、昨季の決勝トーナメント4試合でレアル・マドリードはすべて下馬評で相手に上回られていた。番狂わせを4試合続け優勝したダークホース的な、受けて立っていないチャレンジャー的な魅力が今季も健在なのだ。CL優勝14回という断トツの実績を誇る欧州一の名門であるのに、好チーム。銀河系軍団時代に露呈させた成金色は全くない。ピリ辛のサッカーでなによりバランスがいい。

 ヴィニシウス・ジュニオールとカリム・ベンゼマという欧州最強の絶対的なコンビが存在することも輪を掛ける。この2人が絡むと相手の守備陣は棒立ちになる。得点の匂いは瞬間、プンプンと漂う。多少押されていても逆襲から2人で試合を決める力がある。

 レアル・マドリードに比べると、マンチェスター・シティのサッカーは甘く見える。バイエルンには勝てるかもしれないが、レアル・マドリード戦となると、昨季の準決勝の戦い(合計スコア5-6)を想起してしまう。そこからアーリング・ハーランドが加わっているが、チーム力そのものは上がっていないと見る。

 レアル・マドリードにとって戦いにくいのは、むしろ受けて立つ格好になるナポリのほうだろう。

プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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