鎌田大地の移籍先にもオススメ 攻撃的サッカーのナポリがフランクフルトに完勝でCL8強へ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by PA Images/AFLO

【下馬評が低いレアルだが...】

 ヴィニシウス・ジュニオールとカリム・ベンゼマは、いま欧州一のコンビだろう。この2人が左サイドで連係すると、レアル・マドリードのペースは一気に加速した。右はフェデリコ・バルベルデがセンスよくカバー。中盤はトニ・クロースとルカ・モドリッチが、名監督が選手に成り代わったような上等なプレーをする。

 レアル・マドリードは後半33分、このヴィニシウスとベンゼマのコンビで、合計スコアを6-2とするゴールを奪い、昨季の決勝の再戦となったこの試合に圧勝した。だが、冒頭で触れたブックメーカーの優勝予想では、マンチェスター・シティ、バイエルンに次ぐ3番手の扱いを受ける。下馬評は思いのほか低い。そうだろうか。リバプール戦のあまりに賢い戦い方を見ていると、筆者としては本命に推したくなる。

 現在のレアル・マドリードに、かつて銀河系軍団と言われた時代の粗野なイメージは全くない。マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマンといった当代の金満クラブにはない、好チームとしての顔を見る気がする。

 好チームといえば、フランクフルトに合計スコア5-0で勝利したナポリを忘れることはできない。ルチアーノ・スパレッティが攻撃的サッカーを掲げ、欧州のサッカーシーンに登場したのは、いまから20年前の話になるが、CLでの最高位はローマ時代のベスト8だ。イタリアを代表する名将ではあるが、欧州を代表する名将にはなり得ていない。今回は昇格のチャンスだと見る。

 三笘薫所属のブライトンを彷彿とさせる。その兄貴分のようなサッカーにも見える。鎌田の話に戻れば、注目は来季の移籍先だ。フランクフルトからどこに移るか。CL優勝を本気で狙うようなビッグクラブは難しい。バルセロナが関心を示したとする報道を見たことがあるが、それが事実だとしても、そこ止まりだろう。そこから1ランク落ちるチームが現実的だ。ドルトムントあたりが有力な該当チームになるが、この試合を経て、思うのは相手のナポリだ。

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