デ・ブライネとカタールW杯で思い出す4年前の14秒カウンター。ボールを持つ彼になぜ追いつけないのか風間八宏が解説 (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

チーム全体のテンポを上げられる

 風間氏も絶賛するデ・ブライネは、現在31歳。ベルギーのヘンクでトップデビューした2009年から、もう13年が経過したが、デビュー当時にこれほど偉大な選手になることを想像した人は決して多くはなかった。

 それでも、2012年にチェルシーに青田買いされたあと、ブレーメン、ヴォルフスブルクと、3シーズンにわたってブンデスリーガで実績を積み、2015年8月に現在もプレーするマンチェスター・シティに5500万ポンド(当時約105億円)で移籍。その翌年、ジョゼップ・グアルディオラが新監督に就任したことをきっかけに、デ・ブライネの存在感が際立つようになった。

 なぜデ・ブライネは、マンチェスター・シティでもベルギー代表でも、不可欠な選手として君臨しているのか。

 その理由として、デ・ブライネがボールを運び始めるとチーム全体に生まれるある変化について、風間氏が解説してくれた。

「デ・ブライネは動きながらでも素早い判断ができるので、動き始めるとほとんど止まることなくプレーできます。そうすると、自然とチーム全体のテンポが上がる。なぜかと言えば、彼がチームのなかで判断、選択する頻度が一番高いため、周りの選手がそれについていく必要があるからです。

 同じマンチェスター・シティでプレーするMFイルカイ・ギュンドアンも、それに倣って前に出ていきますが、同じような現象は起こりません。もちろん、ギュンドアンもドイツ代表選手ですし、優れたMFであることは間違いないのですが、デ・ブライネと比較すると、周りに与える影響、周囲の選手を動かす能力に、少し差があるように思います」

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