日本代表主将・吉田麻也のパフォーマンスに不安の声。シャルケはついに最下位転落、実際のプレー内容は?

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by picture alliance/AFLO

 吉田麻也のパフォーマンスに対して懐疑的な声が上がっている。この夏、セリエAのサンプドリアからブンデスリーガのシャルケへ移籍したが、パフォーマンスは上がらない。チームは失点が多く、このままでは再降格へまっしぐら。日本代表の主将がこれで大丈夫なのか、本大会でドイツやスペインの攻撃に立ち向かえるのか、そもそも、このままなら代表のスタメンから外れることもあるのではないか......などといった不安説が、ネット上などで散見されるのは事実だ。

 10月23日。第11節でシャルケはヘルタ・ベルリンに敗れて5連敗、最下位に転落した。1勝3分7敗で失点数は26。失点数はシャルケに代わって17位に浮上したボーフムに次ぐワースト2位となる。その守備陣のなかにあって、吉田のパフォーマンスがいいというわけではもちろんないが、他に吉田レベルの選手がいるわけでもないというのが現状だ。

今季のリーグ戦全11試合に先発、うち10試合でフル出場している吉田麻也(シャルケ)今季のリーグ戦全11試合に先発、うち10試合でフル出場している吉田麻也(シャルケ)この記事に関連する写真を見る 基本的に4バックで戦ってきたシャルケだが、第一にセンターバックの先発選手が固定できていないという大問題がある。今季、ドイツ杯を含めて公式戦13試合を戦ってきたが、吉田とセンターバックの相棒を組んできたのは実に4人。最初にコンビを組んだマルチン・カミンスキと3人目のゼップ・ファン・デン・ベルクはケガで離脱し、3人目マリック・ティアウは移籍でチームを去った。第9節レバークーゼン戦、続くホッフェンハイム戦で共にプレーしたレオ・グライムルも負傷で離脱した。

 チームはフランク・クラマー監督を解任し、マティアス・クロイツァー暫定監督で臨んだヘルタ戦は3バックに変更している。

「強いチームは後ろのメンバーが安定しているもの」

 吉田自身もそう言うが、これだけメンバーがコロコロと変わるなかで、吉田のパフォーマンス"だけ"が安定するわけもない。

 自分のプレーエリア、マークの相手をカバーするだけでなく、コンビを組む選手との関係性も、試合のなかで探さざるを得ない。自然とやるべきプレーが増えていき、ミスも起こりやすくなる。それらをすべて吉田個人のパフォーマンスが低いせいだと言いきってしまうのは酷なように思う。

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