ラ・リーガ開幕3試合で早くも勢いに乗るMF&FW6人。スペイン人記者が選んだ今季見逃せない選手は誰か (3ページ目)

  • マリオ・コルテガナ●文 text by Mario Cortegana
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

目下得点王の2人

FW/ボルハ・イグレシアス(ベティス)

 サポーターからその決定力を疑問視されていたボルハ・イグレシアスが、現在の状態になることを誰が想像しただろうか。

 批判の大半は「彼ならもっとできるはず、もっとやるべきだ」というものだった。そして今、彼に期待していた人々の批判が正しかったと時間が証明してくれた。今季開幕からの3試合で4得点を記録し、ロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)と並び、リーガ得点ランキングでトップに立っている。一方、昨季は4点に到達するのに後半戦までかかっていた。

 ボルハ・イグレシアスが今季決めたゴールはすべて、ペナルティーエリア内での右足という形である。そのうち2ゴールはPKからだが、それは彼が得点ランキングトップである功績を損なうものでは全くない。

 また4ゴールを決めるのに費やした枠内シュート数はわずか5本(総シュート数6本)。それは彼が高い決定力を備え、相手DFに致命傷を与える存在になったことを示している。

 ドリブルをせず、ペナルティーエリア内でのみ仕事をする彼のプレースタイルは、絶滅寸前のストライカーと言える。しかし、ゴールを決めるためそこに居続けることが、彼の大きな価値である。

FW/ロベルト・レバンドフスキ (バルセロナ)

 ロベルト・レバンドフスキはブンデスリーガ253試合238ゴール、1試合平均0.94ゴールという偉大な記録を残してバイエルンからスペインへとやって来た。

 その類まれな得点力は、リーガ優勝を目指すバルセロナにとって今季最も強力な武器となるだろう。彼の存在によってチームは毎回、1-0のリードで試合を始められることをほぼ保証されているようなものであり、すでにそれが示され始めている。

 レバンドフスキはリーガ開幕からの全3試合に先発出場し、レアル・ソシエダとバジャドリード相手にドブレテ(1試合2得点)を達成。しかし彼はゴールを決めることのみに秀でた選手ではなく、味方をサポートする能力にも長けている。すでに2つのゴールをお膳立てしており、バルセロナがここまでに決めた8得点のうち6得点に絡んでいるのである。

 ゴールチャンスを生む能力が圧倒的に優れ、今季のリーガで彼よりシュート数が多いのはカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)のみ。今季のクラシコは昨季のゴールデンシューを獲得したポーランド代表FWと、バロンドールを受賞する可能性の高いフランス代表FWとの見応えある一戦となりそうだ。

 レバンドフスキは、今季のリーガに花を添える非常に魅力的な選手である。

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