ラ・リーガ開幕3試合で早くも勢いに乗るMF&FW6人。スペイン人記者が選んだ今季見逃せない選手は誰か (2ページ目)

  • マリオ・コルテガナ●文 text by Mario Cortegana
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

リーガ屈指の選手

MF/ウィリアム・カルバーリョ(ベティス)

 今回、ウィリアム・カルバーリョを選んだことは不思議に思われるかもしれない。これまでホームのベニート・ビジャマリンでは、常に批判の的にされてきたが、昨季、中盤の核としてサポーターの信頼と愛情をようやく勝ちとり、今季を華々しい形でスタートしている。

 クラブは今夏、選手全員をリーガ登録するのにサラリーキャップ問題を解決しなければならなかったため、カルバーリョを売却しようとしていた。30歳という年齢なので、その判断は当然だと言えるだろう。しかし純粋にチームのことを考えると、それは間違いだった。そしてこの度、契約延長の発表があった。

 カルバーリョの今季ここまでのデータを見ると、パス成功数(206本)、プレーへの関与数(282回)、ドリブル成功数(11回)がリーガトップ。さらにデュエル勝利数(26回)、敵陣でのパス成功数(110回)が2位とあらゆるものが優れている。リーガ屈指のMFだと言えるだろう。

FW/ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)

 ヴィニシウス・ジュニオールはもはや、単なる優秀な選手ではなく、彼自身がひとつのシステムであるかのようなレベルにまで到達している。チームの調子に関係なく、彼のプレーはいつでもほぼ正常に機能している。それはボールをキープして相手を引きつけ、スペースを作り出し、ペナルティーエリアまでドリブルを仕掛ける、というものだ。

 以前はパフォーマンスにムラがあったが、今は精度が非常に高くなっている。昨季、17ゴールを決めてリーガ得点ランキングで3位となり、さらに10アシストを記録。今季もすでに2得点1アシストと、シーズン初めから好調を維持している。

 今季の3試合で1対1を仕掛けた回数はリーガ3位(40回)、被ファウル数(11回)、CK獲得数(8回)はともにリーガトップと、さまざまな統計からも彼が決して立ち止まることなくトライし続けている選手であるのがわかる。今もっとも試合の均衡を破ることができる選手に限界はない。

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