ベルギーリーグ所属の日本人11選手、今季は全員レギュラー格。開幕3試合それぞれが掴んだ現在地 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

三好康児はブレイクの兆し

 渡辺は今年1月、チームが不振にあえいでいた時期にFC東京から加入。昨季は出たり出なかったりを繰り返して出場7試合に終わったが、今季は3戦続けて先発している。

 今季Jリーグの得点王争いで首位を走っていたFW上田綺世は、この夏、鹿島アントラーズからセルクル・ブルージュに移籍。ドミニク・タールハンマー監督は「上田はコンスタントに裏を狙うタイプ。ケビン・デンキーは強靭なターゲット型ストライカー。ふたりをローテーションすることはできるが、共存も可能。上田はトップ下もできる」とシーズン前に語っていた。

 開幕戦はデンキーがストライカー、上田がトップ下という形。第2節は上田がストライカーとして先発、第3節はデンキーが先発し、上田はトップ下として途中から出場した。タールハンマー監督のコメントどおりのことが起こっているが、上田にとってもデンキーにとっても中途半端だ。

 第2節のアンデルレヒト戦で上田はシュートをネットに揺らしたが、味方のファールをとられて幻に。しかし、ここまで3試合を振り返ると、チームの仕上がりは程遠く、前線で上田が身体を張ってルーズボールを競ってマイボールにしても孤立してしまう状況だ。

 ベルギーリーグ4季目となるMF三好康児には、今季ブレイクの期待がかかる。なかなかアントワープでレギュラーの座を奪えなかった三好だが、マルク・ファン・ボメル新監督からの信頼は厚く、開幕からしっかり右ウイングのポジションを掴んでいる。公式戦6試合で3アシストと結果が出ているうえ、プレッシングにチェイシングと、エネルギッシュにピッチを駆け巡っている。

 しかも今季のアントワープは、クラブ・ブルージュ、ゲント、アンデルレヒトとともに優勝を争うと目されている好チーム。昨季加入のMFラジャ・ナインゴラン、今季加入のCBトビー・アルデルワイレルトは地元で生まれ育ったビッグネームということもあって、ファンの期待は高まるばかり。優勝を目指すチームのなかで、三好の奮闘を楽しみにしたい。

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