伊東純也「あれは少し恥ずかしい」。リバプール戦で好機にまさかの転倒 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFP/AFLO

 ビッグチャンスでのあり得ない転倒。身体はいつもどおりの動きをしてくれなかったということか。

 昨季のベルギー王者としてCLに臨むゲンクは、プレーオフを経ず本戦にストレートインした。2011-12シーズン以来のCLはいわばぶっつけ本番となったが、ここまでザルツブルク(結果は6-2の敗戦)、ナポリ(結果は0-0)、リバプールと、相手は順番に強くなっていった。すべての試合に先発している伊東だが、まだCLの雰囲気や強度に慣れたというわけではないという。

「慣れたということはなくて、今日は個人的には一番硬くなってしまったかな。硬くなった理由? わからないです。(相手が)有名なチームだからかもしれないです。でも、そういうところを楽しめなきゃいけないかなと思います」

 思ったよりもできたという感触は残っている。19分のシーン以外にも、26分にはVARでオフサイドと判定されたが、得点になりかけたクロスがあった。40分にも右サイドから鋭いクロスを上げている。だが結局、結果を出すことはできず、楽しむところまではいかなかった。

 明らかに格上のチームに敗れた選手たちの感想は二分されるように思う。完敗してはっきりと打ちのめされたというケースと、ある程度はできたけれども結果にはつながらなかったというケースだ。この日の伊東は後者だった。ボールを持たせてくれる場面はあったものの、ゴール前はきっちりと閉ざされていた。

 だが、そんな厳しさを味わえるのもCLに出場しているからこそ。CLに出場できるクラブでレギュラーを張っている選手にだけ与えられる特権である、その経験こそが収穫となる。

「今日みたいに硬くなったらもったいないので、もうちょい、やりたいなと思います。どこも自分たちより上だと思いますし、そこはチャレンジしていったほうがいい」

 これでグループリーグは半分が終わった。残る3戦に向けて、伊東は早くも意欲に満ちていた。



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