J指導者がスペインのW杯敗退で痛感した「監督に大金をかける必要性」 (3ページ目)
――ソシエダに近いエイバルに所属していた乾選手は大活躍でしたね。
「乾君は心身ともに充実していたんだろうなと思います。あと、選手と選手の間には、独特の距離感であったり、無性にパスを出せる関係性、たとえマークがついていようが預けてリターンをもらう関係性というのがあるんですよ。スペインだと、シャビとアンドレス・イニエスタの間にあるような関係。それが、乾と香川(真司)の間にありましたよね。5メートルのなかで時間をつくったり、日本にとってはすごくいいラインができていたと思います」
――スペインの話に戻ると、モロッコ戦、イラン戦も苦戦しました。
「守備がルーズだなと、初戦で思いました。もともとそんなにガチッとしているわけではないですが、あまりにもルーズで、負けなくてよかったです。あと、今大会はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の影響がありましたよね。モロッコ戦は負けておかしくないところが、VARのおかげで勝てた。あれがなかったら予選敗退です。
やはりリーダー(監督)の存在は強く影響するんだなと思いました。強烈なリーダーシップがあるボスみたいなタイプもいるだろうし、西野さんみたいにみんなでやれる雰囲気をつくる人もいる。でも、今回のスペインのように、W杯開幕の2日前に新監督になって大会に入るというのは本当に難しい。優勝候補がここまでなり下がっちゃうんですから。だから世界では、監督に金をかけるんだなと思います。日本代表も、ベスト16の壁を越えるためには、監督に金をかける時代にならないといけないのかもしれません」
――そして、スペインの決勝トーナメント1回戦の相手はロシアでした。
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