久保裕也、スイスで語る。「シュートを打つなと言われたこともあった」 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

「自由というか、今はある程度、自分を持ってやれてるかなと思います。自分で仕掛けられるし、ゴリゴリいけるし、攻撃ではわりと好きなことができている」

 今季は先発での出場を重ね、手応えを得る一方、足りないものも自覚している。

「今シーズンはスタメンが多くて、去年、一昨年に比べてもいいシーズンですけど、目に見える結果が少ないかな、と。プレー自体は安定してきましたけど。理想は1試合1点ですね。もちろん理想でしかないんだけど」

 おそらくそれは理想ではなく目標なのだろう。そう思わせる力強さがその言葉にはあった。だが久保の話しぶり自体はとても穏やかだ。例えば五輪代表の練習などでの様子を見ていても、明るい声を出すムードメーカータイプでは決してない。昔は親からも「愛想がない、笑顔がない」と言われるような子どもだったという。

「本当は超ネクラで物静かなんですよ。こっちに来てから多少明るくなったかなと思いますけど」

 スイスに渡った直後は、黙々と練習をこなしているだけで「落ち込んでいるのでは?」と誤解を招くこともあったとか。そんな印象を解くために、大げさなアピールもするよう意識したという。

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