「安くても勝てます」。弱小クラブのエンポリがセリエAで大健闘

  • 宮崎隆司●取材・文 text by Miyazaki Takashi photo by Getty Images

 したがって、これも当然というべきなのだろうが、その予算規模は今季のセリエAクラブの中で、昇格組のカルピをも下回り、同じく昇格組であるリーグ最少額のフロジノーネをわずかに上回るのみ。
※「所属選手年俸総額」(推定/昨年9月時点)の下位4クラブは次のとおり。
キエーボ:1610万ユーロ
カルピ:1440万ユーロ
エンポリ:1300万ユーロ
フロジノーネ:870万ユーロ

※上位トップ5は以下のとおり。
ユベントス:1億2400万ユーロ
ローマ:1億500万ユーロ
ミラン:9300万ユーロ
インテル:8740万ユーロ
ナポリ:7300万ユーロ

 だが、そんなエンポリが今季、第23節を終えた時点で、勝ち点33で8位につけ、クラブ規模で遥かに巨大な6位ミランとの勝ち点差は「6」。のみならず、そのサッカーの「質」では単独首位(第23節終了時)のナポリをも凌ぐと評価する専門家も少なくはない。

 事実、今季第3節にエンポリはナポリと引き分けており、第21節のミラン戦でも結果こそ引き分け(2−2)に終わったとはいえ、中身では完全に圧倒していた。

 ちなみに、そのミラン戦に臨んだエンポリのスタメン11人の年俸総額はミランのFWバッカひとり分に遠く及ばず、本田圭佑のそれにも届かない。左SBマリオ・ルイに至っては、年俸は本田の20分の1程度である。
※ 昨年9月(今季開幕当初)の推定年俸(税抜き)
バッカ(ミラン):350万ユーロ
本田(ミラン):250万ユーロ
マリオ・ルイ(エンポリ):15万ユーロ
なお、エンポリで最も高い年俸を得ているのは、MFサポナーラで、約70万ユーロ。今季9ゴールを決めているFWマッカローネは30万ユーロ。ちなみに、今季のセリエAで最高年俸はデ・ロッシ(ローマ)の650万ユーロ。

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