ベルギーが2位に! FIFAランキングはどう決まる?
ひと駅コラム「それ、気になってました」(31)
先日、6月のFIFA世界ランキングが発表になった。ベスト10は1位ドイツ、2位ベルギー、3位アルゼンチン、4位コロンビア、5位ブラジル、6位オランダ、7位ポルトガル、8位ウルグアイ、9位フランス、10位スペイン。そして、.52位日本となっている。
注目は先月からワンランクアップしたベルギー。アザール(チェルシー/FW)はじめ、世界レベルの選手も増え、躍進目覚ましいのは理解しつつも、「世界2位」となると違和感を覚える人もいるだろう。「ブラジルよりも強いの?」 「昨年のW杯も8強どまりで、一昨年には日本代表に2-3で敗れているのに?」と疑問符がいくつも付く。
しかし、ポイントの算出方法を理解すると、少し謎が解けてくる。国際Aマッチにおけるポイントは、以下の式で計算される。
勝ち点×試合の重要度×対戦国の強さ×大陸連盟の強さ×100
●勝ち点 勝ち3、引き分け1、負けは0、PK勝ちは2、PK負けは1
●試合の重要度 親善試合1.0、大陸選手権の予選、W杯予選2.5、大陸選手権本大会、コンフェデレーションズカップ3.0、W杯本大会4.0、4段階で係数を設定
●対戦国の強さ 1位は2.00、2位以下は(200-相手のFIFAランク)÷100(※1)、150位以下は0.50
※1 ランキング10位スペインと対戦する場合、(200-10)÷100=1.9となる
●大陸連盟の強さ 南米1、ヨーローパ0.99、北中米・アジア・アフリカ・オセアニア0.85という定数が割り当てられていて、対戦する2国の定数の合計÷2が係数となる
FIFAランキングは1試合ごとのポイントの合算で決まり(※2)、大会の順位などが加味されるものではないので、イメージと差が出てくるのだろう。また、上記の係数によって、1試合の重みが対戦国によってかなり変わってくることがわかる。
ベルギーはヨーロッパ各国とW杯予選や欧州選手権予選・本大会を戦うので、勝利した時のポイントは大きい。ブラジルW杯の予選は無敗で通過し、進行中のユーロ予選も組み合わせに恵まれた感があり、着実に勝利を積み上げてポイントを稼いだのである(※3)。
逆に日本はアジアサッカー連盟に属し、アジア各国とW杯予選などを戦う。格下の国との試合も自然と多くなり、1試合で得るポイントは小さい。ポイントを大きく稼げる一昨年のコンフェデレーションズカップ、昨年のW杯で勝利を挙げられなかったので、今後もランキングを大きく上げるのは大変である。ブラジルが5位になっているのは、W杯開催国で予選免除となり、係数が小さい親善試合が増えたことが大きく影響している。
※2 対象となるのは過去48ヶ月。12ヶ月ごとにポイントを合算し、試合数で割って平均をとる。その平均値に直近12ヶ月は100%、以降13~24ヶ月前は50%、25~36ヶ月前は30%、37~48ヶ月前は20%をかけて合算する
※3 6月12日ユーロ予選でウェールズに0-1で破れたが、この試合結果は6月発表のランキングに反映されていない