香川真司待望のゴール。それでも重苦しいムードが漂う理由

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 ブンデスリーガ第26節ハノーファー対ドルトムント戦。ドルトムントは3-2で勝利を収め、香川真司は昨年9月の復帰戦以来となる今季2ゴール目をあげた。

 後半12分、MFブワシチコフスキが右サイドで自陣からドリブルで上がってくる。MFロイスが斜めに長い距離を走りパスを受けると、ディフェンダーをかわし、中央に待ち構える香川にラストパスを送った。香川はそれを冷静に流しこんだ。

ハノーファー戦で1ゴール1アシストの活躍を見せた香川真司 ハノーファー戦で1ゴール1アシストの活躍を見せた香川真司 「うまくマルコ(ロイス)がボールを出してくれたし、流れ的にもすごく良いカウンターで。自分も動き出しを一回変えて、(中央で)止まっていたらうまくボールが来たのでラッキーでしたね」

 喜びながらも冷静に振り返るのは、試合後、しばらく時間があったからだろうか。

「もちろん久しぶりのゴールでしたけど、結果以上に、次の試合が大事だという気持ちの方が強いですけど。まあゴール、結果を残すことはやっぱりとても大事なことなので、良かったとは思います」

 香川は淡々と続けた。

 前半は、先制したものの相手に押し込まれ、ハノーファーのペースで折り返していた。退場者を出したことで相手はバランスを崩していたものの、流れをがらりと変える貴重な勝ち越し点だった。これまで香川は多くの得点をあげてきたが、先制点に絡むことが少ないと言われてきた。今回は先制点ではないが、試合の流れを一変させる重要な勝ち越しゴールだった。

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