ドイツ対フランス。好カードはなぜ凡戦になったのか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 ワールドカップでのドイツ対フランスと聞いて、82年スペイン大会を思い出す人もいるのではないだろうか。

 両者は準決勝で対戦し、1-1のまま延長に突入。先にフランスが2点を勝ち越すがドイツ(当時は西ドイツ)が驚異的な粘りで追いついて3-3に。そして最後はPK戦決着の末、ドイツが決勝進出を果たした歴史的名勝負である。

 実は両者は、続く86年メキシコ大会の準決勝でも顔を合わせている。2大会連続での対戦となった準決勝は、FK一発をものにしたドイツが1-0で再びフランスを退けている。

 そんなワールドカップ史上に残る名勝負を紡いできた好カードが、今大会の準々決勝で実現した。ワールドカップでドイツとフランスが対戦するのは、実に28年ぶりのこと。ワクワクするような思いで、この試合を迎えたファンも多かったはずだ。

給水する選手たちに指示を出すドイツのレーブ監督給水する選手たちに指示を出すドイツのレーブ監督 ところが、そんな対戦もおおいに期待外れだったと言わざるをえない。

 もちろん、ワールドカップだからと言ってすべての試合がおもしろいとは限らない。残念ながら凡戦も相当数ある。だが、この試合に関して言えば、期待が大きかったがゆえに落差があまりにも大きかった。ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督が語る。

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