ベストゲームはアーセナル戦。香川真司の今季を振り返る

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 ホームでの最終戦、マンチェスター・ユナイテッドはハル・シティを3-1で下し、香川真司は先発フル出場を果たした。 新体制になってから出場機会が増えているとはいえ、香川のプレミアリーグ2年目の挑戦は、厳しい結果に終わったと言わざるを得ない。

ホーム最終戦、ハル・シティ戦に先発フル出場した香川真司ホーム最終戦、ハル・シティ戦に先発フル出場した香川真司 もちろん香川だけでなく、チームも不調を極めたのはご存知の通り。ホームで7敗を喫したのは2部に降格した1973~1874シーズン以来、チャンピオンズリーグ(CL)出場権を逃したのは18季ぶりと、"記録づくめ"のシーズンだった。最終節のサウザンプトン戦(アウェー)を残した現時点で7位。ヨーロッパリーグ出場という望みも、6位トットナムの勝敗次第と風前の灯だ。

 昨季は20度目のリーグ優勝とアレックス・ファーガソン監督の勇退で幕を閉じた。その後、エバートンからデイビッド・モイーズの抜擢、シーズン中の解任、生え抜きでマンUの象徴とも言えるライアン・ギグスの監督就任と、実にドラマチックな1年だった。だがそれは、その過程で失ったものの大きさばかりが目につく1年でもあった。

 香川にとって苦しかったのは、シーズンの開幕に出遅れた感が否めなかったことだ。そこからずるずると、本調子には至らないまま、シーズンが終わってしまったような印象を受ける。

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