チェルシーに連敗。内田篤人「でもGKは責められないよ」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 だが、この頃になるとチェルシーが落ち着きを取り戻し始めた。奪ってからの高速カウンターの破壊力はシャルケの比ではなく、正確性も伴っている。徐々にシャルケは主導権をチェルシーに渡すことになる。

「(立ち上がりは)相手がうまくいかなくて、オレらも前に行けたけど、そこらへんを修正してくるのはすごい。状態が悪いと、スタジアムの雰囲気も悪くなってずるずる行きがち。でも、流れを自分たちに持ってくるのはさすがだった」

 19分にはシャルケのGKヒルデブラントのが、枠内に飛んだシュールレのフリーキックを好セーブで防ぐなど、ムードは悪くなかったのだが、そのヒルデブラントから悲劇は起きた。31分、ロングボールを蹴ろうとボールから距離をとり方向を見定めたその瞬間、プレッシャーをかけてきた相手FWエトーにボールをさらわれ、そのままゴールを奪われてしまったのだ。モウリーニョ監督はしてやったりと言わんばかりに説明した。

「エトーにはキーパーにプレッシャーにいけと指示していた。ヒルデブラントはポルトガルやスペインでプレイした選手。シャルケはディフェンスやキーパーからプレイを始めることが好きだというのも分かっていた。エトーは賢い方法でキーパーを攻撃した」

 内田も同じ見解だった。

「うちはバックパスが多いからね。だからああいうシーンになるとは思うけど......」

 一方、シャルケのケラー監督は肩を落とした。

「個々のミスでチェルシーにリードされるという状況はなんとしても避けるべきだった。我々はチェルシーがそれ以降は深く守ることが分かっていたから」と、エトーの先制ゴールが試合の流れに影響したことを認めた。それまで好プレイを続けていただけに痛い失点だった。

 さぞかしフィールドプレイヤーは失望した失点だったのではないかと尋ねてみると、内田は否定した。

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