ドゥンガが指摘する今の日本代表に欠けているモノ「W杯でグループリーグを突破することに満足しちゃいけない」

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

ドゥンガインタビュー(3)

現在の日本代表について語るドゥンガ氏。photo by Fujita Masato現在の日本代表について語るドゥンガ氏。photo by Fujita Masatoこの記事に関連する写真を見る

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――ドゥンガさんは日本を離れている間も、日本代表を見ていたとのことですが、現在の日本代表については、どう感じていますか。

「昔のJリーグは(ハイレベルな外国人選手も多く)競争力があったけれど、日本代表はまだそれに追いついていなかった。でも、今は逆に日本代表がすごく競争力のあるチームになっている。

 ただ、今の日本代表に足りていないのはリーダーだ。多くの選手がヨーロッパに渡り、レベルが高いリーグや、そのなかでも強いクラブでプレーしているから、たくさんの経験がある。でも、それぞれのチームには優れたリーダーがいて、自分たちを引っ張ってくれているんだ。

 だから、その選手が日本代表に帰ってきた時には、自分がリーダーにならなければいけない。これが、ひとつ足りないところだね」

――リーダーというのは、その資質を持った選手でなければ務まらないものですか。

「リーダーには、ふたつタイプがある。ひとつは、生まれ持ってのリーダー気質の人。そしてもうひとつは、『こういうふうに練習に取り組まなきゃいけないんだよ』というように、ずっと自分がお手本を示し続けることで、みんながリーダーと認めてくれる人だ。

 それぞれが所属するいろんなクラブに、それぞれのリーダーがたくさんいるわけだから、その人たちを見て学び、日本代表に帰った時に自分の学んだことをやって見せることでリーダーは生まれるはずだ」

――それが、日本代表がもう一段階レベルアップするために必要なことだ、と。

「そのとおりだ。ただし、ひとりではなくて、2人、3人の強いリーダーが必要だ。

 試合のなかではリーダーが中心となって、『今はもっと攻撃的にいこう』とか、『今は少し落ちつかせよう』とか、そういうことを選手同士で話さなければいけない。ハーフタイムになって監督が指示を出すのを待っていたら、試合が終わってしまうし、その間に失点してしまうこともあるからね。だから、ピッチのなかの監督になれるようなリーダーが必要なんだ」

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