「黄金期」を築いたドゥンガが語る、ジュビロ磐田がJ2に降格したわけ 再び躍進するために必要なこととは? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

――かつての黄金期を知る者としては、磐田が"落ちないために戦うチーム"であっては寂しい。今後の磐田に必要なことは、どんなことですか。

「それに答えるのは難しい。ただ、そのためにはまず、一人ひとりが自分のやることに毎日ベストを尽くさなければいけない。簡単なことであっても、昨日よりもっとよくするにはどうするか、何をしなければいけないかを考えて、すべてに全力を尽くしていくことだ。

 誰もが『できる限りのことはやっているよ』と言うかもしれないけれど、できる限りのことではなく、勝つために必要な最大のこと、最高のことをやらなければならないんだ」

――これくらいでいいと思ってはいけない、と。

「どんなスポーツでもチャンピオンを目指したいなら、大事なのは言い訳しないこと。何か悪いことが起きた時、それを正当化せず、毎日ベストを尽くすことだ。

 マイケル・ジョーダンだって、毎日練習を続けたから、あれだけの選手になれた。だから、どのスポーツの選手でも、毎日ベストを尽くして、もっと完璧に近づけようと思ってやらなければならない。

 何かあった時に、「だって、誰々がこうしたから」とか、「だって、何々がこうなったから」とか、自分以外のことに言い訳を求めて自分の失敗じゃないと自身を正当化しがちだが、誰々や何々は関係ない。

 常に自分に目を向け、自分のことを語り、よりよくなるために必要なことをやらなければいけないんだ」

(つづく)◆ドゥンガが指摘する今の日本代表に欠けているモノ>>

ドゥンガ
1963年10月31日生まれ。ブラジル出身。ブラジルの名門クラブでプレーしたあと、イタリア、ドイツのクラブで活躍。ブラジル代表でも奮闘し、1994年W杯ではキャプテンを務めてチームの優勝に貢献した。1995年夏、ジュビロ磐田入り。強いリーダーシップを発揮して、1997シーズンにはジュビロを初のリーグ王者へと導いた。引退後は、ブラジル代表監督など指導者として手腕を揮った。

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