FC東京・仲川輝人が振り返る移籍1年目――チームに潜んでいた「なぜ」と「謎」、そしてF・マリノスとの違い

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun

J1リーグ2024シーズン
仲川輝人インタビュー(FC東京/FW)◆前編

移籍1年目の昨季について振り返る仲川輝人。photo by Sano Miki移籍1年目の昨季について振り返る仲川輝人。photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る リーグ優勝するために――。

 昨年、仲川輝人は強い覚悟を持って、横浜F・マリノスからFC東京に移籍してきた。しかしその思いとは裏腹に、チームはシーズン途中で監督が代わるなど、最後まで苦しい戦いを強いられて11位という成績に終わった。

 仲川自身も思うように個の輝きを発することができず、いろいろと考え、悩むシーズンに終わった。「何もできなかった」と悔しさを噛みしめる仲川だが、勝負と位置付ける2024シーズン、どうチームと向き合っていくのだろうか――。

――昨シーズン、移籍1年目はリーグ戦27試合出場4得点という成績でした。

「シーズン途中で監督交代など大変なこともあって、正直、内容も数字も物足りなさを感じていますし、まったく満足していないです。もっとボールを受けることができたら、得点という部分ではもう少し何とかなったのかなと思いますが、結果がすべてですし、これが移籍1年目の難しさなのかなと思い知らされました」

――チームは11位という順位で終えました。

「優勝を狙いつつ、スタイルを変えていくということにトライしたのですが、かなりしんどかったです。F・マリノスも(アンジェ・)ポステコグルー監督(現トッテナム監督)の1年目は12位という厳しい結果に終わり、難しかったことを考えると、FC東京も"変化"の1年目は難しいシーズンになるだろうという覚悟はありました。でも、想像以上に僕もチームも苦しみました」

――その難しい挑戦に、なぜトライしようと思ったのですか。

「僕はF・マリノスで2回優勝することができたんですけど、2022年に優勝した時、シンプルに今度は違うチームで新しいチャレンジをしたいなと思ったんです。そんな時、FC東京から『まだリーグ優勝したことがないので、力を貸してほしい』と言われ、自分もチャレンジしたいと素直に思って決めました。

 以前、夏の移籍は2回ほど経験しましたが、今回は完全移籍でキャンプからチームに合流できるので、不安はなかったです。優勝するために僕がどれだけチームの助けになれるのか、それだけを考えてプレーしていこうと考えていました」

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