大迫勇也が語る連覇のために必要なこと「すべてリセットされた。成功体験を得たのはいいが、それが慢心になっては意味がない」 (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

「僕の仕事は変わらず、チームのために点を取ること。FWを任されている限りは、常にそこを意識したいし、勝利に近づくための点を取りたいと思っています」

 2年連続の得点王への野心はいかに――。

「昨年、積み上げられた得点が今年に引き継がれるのであれば、少しは意識するかもしれないですけど(笑)、残念ながらそうではなく、今年もまた全員がゼロから、横並びのスタートなので。僕自身もまたフレッシュな感覚で点を取ることに向き合いたいし、昨年同様、まずは目の前の1試合1試合に集中して、チームのためにゴールを取ることに集中しようと思っています」

 そのうえで、達成感は少しも感じていないと言いきった。

「僕は本当に、サッカーが好きでたまらないので。やっても、やっても、まだまだやりたい、点を取っても、取っても、もっと取りたい、というのが僕にとってのサッカーで、裏を返せば、ずっとその気持ちを持ち続けられているから、この年齢になってもピッチに立てているんだと思う。

 そんな気持ちを今も持ち続けながらサッカーができていることをすごく幸せに思うし、今シーズンも、その好きでたまらないサッカーをもっと極められるように、たくさん勝てるように、目の前の試合に向けて自分のすべてを注いで準備したい」

 2月6日には日本人選手としては異例の記者会見の場が設けられ、2026年までの契約延長を発表。同席した永井秀樹スポーツダイレクターは「日本最高のトップストライカーである大迫選手と、まずは2026シーズンまでともに戦えることを本当にうれしく思います。クラブにとっては大きな契約ですが、クラブが常勝軍団になっていく過程をともに歩み、彼の力でさらに高みに引き上げてくれることを楽しみにしています」と期待を寄せた。

 それに対し、大迫自身も「強い責任感が増している」と言葉を続け、胸の内を言葉に変えた。

「(契約延長については)去年、このチームでいい結果を得られたのも大きいし、まだまだこのチームで僕自身も成長できるんじゃないか、と。また、クラブが描く今後のチーム方針を聞いて、自分もそのピースのひとつでありたいと思いました。

 まずはピッチで違いを出すことに全力を注ぎながら、僕自身も成長を続けることでチームを引っ張っていきたい。これまで経験してきたことを若手に伝えながら、Jリーグ全体をさらに盛り上げていきたいという思いもあります」

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