中村俊輔を目標にする天野純「凄みのあるプレーを見せて、チームを優勝に導き、MVPを獲る」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun

――AFCチャンピオンズリーグ(ラウンド16)のアウェーのバンコクユナイテッド戦では、サイドからクロスに対してボックス内に3、4人が入っていく、得点の可能性を高める攻撃が見えました。

「サイドからのクロスに対して、3、4枚が入るように言われています。バンコクとの試合で、2点目の渡辺皓太のゴールは、まさに練習どおり。ニアでロペスが潰れて、ファーの皓太が決めたんですけど、そういう厚みのある攻撃からゴールが生まれるのはチームのフォーメーション、攻撃の特徴でもあると思います」

 チームのシステムは、4-3-3、4-1-2-3を併用していく感じになりそうだ。天野は2シャドー、あるいはインサイドハーフでのポジションを任されることになる。3年前はトップ下で、主に攻撃での貢献が求められたが、今シーズンは攻守両面で強度の高いプレーが求められる。

――2シャドーも、インサイドハーフも、攻撃だけではなく、守備も要求されます。

「そうですね。トップ下の時は守備をサボるわけじゃないですけど、前からコースを限定して、あとは(後ろに)任せるみたいな感じだったんです。でも、今シーズンはポジションが違って守備に気を遣うので、攻撃とのバランスを考え、なおかつ自分のフィジカル面を上げていかないといけない。いざ攻撃という時、体力面での余裕がないと違いを生み出せないので」

――攻撃の際は、他の選手との違いを見せていくことが重要ですね。

「それが、このチームで自分が求められているものだと思うんです。最後のクオリティの部分、得点に直結するパスや自らのゴールとか、見ている人がワクワクするようなプレーをしたいと思っているし、しないといけないと思っています」

――そのために今シーズン、取り組んでいることはありますか。

「日本に帰って来てからいろんなトレーナーの方に見てもらう機会が増えたんですけど、一番大事だなって思ったのが、スプリント能力です。秋本真吾さんというスプリントコーチに見てもらって、フォームや足の運びなど教えてもらいました。筋力アップもしているので、それがどんな形でプレーに反映されるのか、個人的に楽しみにしています」

――今季、天野選手が目指すものは何になるのでしょうか。

「まずは、チームの優勝ですね。Jリーグでリーグ優勝の経験がなかったんですが、蔚山で優勝して、こんなにいいもんなんだって思ったんです。それをF・マリノスで実現したい。

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