2024シーズンのJリーグは見どころが多いと福田正博「選手の大幅な入れ替え」「監督の手腕」「20チームの争い」 (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro

【メンバー構成が変わった後の監督の手腕】

 この3クラブに限らず、多くのクラブで「解体的出直し」と言えるほどメンバー構成が変わった。こうなるとそれを率いる監督の手腕も、今シーズンの見どころになる。

 例えば、川崎は、昨季までのフロンターレ・スタイルのサッカーを支えた選手たちが抜け、新たに多くの選手を獲得したことは、これまで築いてきたスタイルからの脱却も視野に入れているのかもしれない。それだけに今シーズン、鬼木達監督がどういう采配を振るかは楽しみな点でもある。

 そして、新監督を迎えたクラブが、どう戦うのかは興味深い。

 横浜F・マリノスはハリー・キューウェル新監督が就任した。アンジェ・ポステコグルー元監督、ケヴィン・マスカット前監督と同じく、オーストラリア人の監督だが、選手時代の実績が別格だ。

 リーズやリバプール時代はプレミアリーグを代表するアタッカーとして名を馳せた。その名手がJリーグで監督をするというのは、私たちの世代にとっては感慨深いものがある。

 移籍では攻撃の中心だったFW西村拓真(→セルヴェット/スイス)がチームを去ったのは痛手だが、MF天野純(←全北現代/韓国)が復帰している。とはいえ、他クラブが派手な移籍を展開するなか、例年ならそれを上回る補強をしてきただけに、おとなしい印象を受ける。

 ただ、横浜FMはフロント力が高いので心配はしていない。例年、開幕後にチームに足りないパーツがあると見るや、すかさず手を打ってきた実績がある。今シーズンも開幕してからキューウェル監督の志向するスタイルに合う選手を、的確に補強してくるはずだ。

 浦和レッズはマチェイ・スコルジャ前監督のもとで今季をどう戦うのか見たかったが、監督の希望によって退任となり、新たにペア・マティアス・へグモ監督を迎えた。選手補強などでも「これまでのレッズとは違う」と思わせるだけの動きを見せた。今シーズンこそはという期待を抱かせてくれている。

 鹿島アントラーズはランコ・ポポヴィッチ新監督を迎えた。横浜FMや浦和の新監督とは異なり、Jリーグでの経験が豊富な監督だけに、その強みを生かせるかは興味深い。

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