サッカーマニア平畠啓史の2023年J2総括 上位で発見した意外な共通点と各チームの「すごかった」ところ (4ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu

【東京ヴェルディはどんどんお客さんが増えていった】

 東京ヴェルディの昇格は、城福さん本当によかったな〜と思っています。城福さんとはお仕事も何度も一緒にやらせてもらっていたので。

 城福さんと言えばパッションが溢れていて、目も充血しているイメージを思い浮かべる人が多いと思います。でも監督から離れると本当にいい方で、シャイなところもありますが、周りに気を使える本当に優しい方です。

 優しい城福さんを知っているだけに、監督モードに入った時のあの切り替えたるや。そこまでさせる監督業のすごさというのを感じますよね。

 千葉の小林慶行監督もそうなんですが、だんだんと人を巻き込んで、スタジアムのお客さんが増えていっている。勝った負けたはもちろん一番大事ですが、プロの興行としてお客さんが増えていくことはすごく大事。

 ヴェルディの味スタ(味の素スタジアム)もどんどんお客さんが増えていった。城福さんが「応援してください」という言葉を出していったのも、本当にすごくよかったなと。

 これは想像なんですが、ヴェルディにはスタイルがあるんですが、でもそのスタイルで十何年間も昇格できなかった事実があるわけです。

 そのなかで昇格するためにはなにが必要なのかという話で、それまでのヴェルディスタイルとはちょっと違うベクトルの方向もやらせないといけない。ヴェルディには濃い緑の色があるから、その緑の色をもう少し薄めなきゃというバランスがあったと思うんです。

 そこは相当、城福さんも大変だったんじゃないでしょうか。相手と戦うよりも、中で戦う大変さがあったんじゃないかと勝手に想像しています。シーズンのなかでいろいろなターニングポイントがあったと思いますが、プロなので勝っていけば求心力も高まっていったのかなと。

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