「高校生のほうが上回っていることも多々ある」FC町田ゼルビアをJ1昇格に導いた黒田剛監督に聞く 高校サッカーとプロの違い (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【高校生とプロの違いはあったか】

――「プロとアマの違い」という話は幾度も聞かれてきたと思います。シーズンを最高の形で終えて、改めて違いを感じた部分はありましたか?

 基本的に青森山田でやってきた30年というのは、アマチュアではありましたが常に勝つことに対して相当細部にこだわってやってきたと自負しています。

"勝つための24時間365日"を日々選手たちと共有してきましたから、そこにプロのほうが意識が高く、高校生のほうが低いというのはありません。むしろすごく細かく見れば高校生のほうが上回っていることも多々あります。

 それを求め続けてきた30年間のなかで培ったものは、プロに行っても通用するものと確信していたし、逆にプロよりも意識高くやってきた自負もあります。

――姿勢や細部のこだわりは変わらない一方で、言葉の選び方は変わってくるわけですよね?

 高校生のように成長・育成の一環として指導していくものと、家族という守るべきものを持ってサッカーを仕事にする選手たちとでは、もちろんアプローチは変えていかなければいけないと思っています。

 どちらかといえば選手の成長のために、感じたことや言いたいことはすべて言って指導にあたってきた青森山田時代とは違い、選手たちのキャリアやプロとしての実績をしっかりとリスペクトしたうえで、言葉選びに神経を使いながらアプローチしてきたこの1年でしたね。

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