ジェフ千葉、15年ぶりJ1復帰なるか キーマンは高校選手権で名を馳せた右SB

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 かつて選手権を沸かせた高校サッカー界のスターが今、プロサッカー選手として新たに生きる道を見出し、覚醒の時を迎えようとしている。

 それが、ジェフユナイテッド千葉の背番号2、髙橋壱晟である。

かつての「選手権のスター」髙橋壱晟。今度はジェフ千葉をJ1へと導けるか。photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Imagesかつての「選手権のスター」髙橋壱晟。今度はジェフ千葉をJ1へと導けるか。photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る「僕としては、プロで試合に出られた経験がほとんどないなかで、毎試合出続けられることにすごく意味を感じていて。中盤のポジションではダメだっていう烙印を押されたわけでもないし、(中盤を)やれるんだったらやるつもりでいるし。ただ、今は与えられたポジションで精一杯やっているところです」

 そう語るプロ7年目の髙橋は今季、J2リーグ30試合に出場(うち24試合先発)し、飛躍のシーズンを過ごしているわけだが、そこに少しばかり意外な印象を受けるのは、現在の彼のポジションが右サイドバックであるからだ。

 なぜ、髙橋が右サイドバックを務めていることが意外なのか。それは、彼の経歴を振り返ればよくわかる。

 青森山田高時代、2年時からすでにレギュラーとして活躍していた髙橋は、3年になるとエースナンバー10番を背負い、高円宮杯U-18チャンピオンシップと全国高校サッカー選手権の二冠を制覇。青森山田に悲願の選手権初優勝をもたらすと同時に、MFながら初戦(2回戦)から決勝までの全5試合で得点を記録した活躍を、記憶に残しているサッカーファンは多いだろう。

 高校サッカー界屈指のMFは、高校卒業後に千葉入り。1年目の2017年には高卒ルーキーながらJ2開幕スタメンでプロデビューを果たすと、第7節で早くもプロ初ゴールを決めている。

 ところが、順風満帆に見えた髙橋のキャリアは、プロ1年目のシーズン半ばを境に徐々に暗転し始める。第23節までは21試合に出場(うち19試合先発)していたものの、第24節以降はわずか2試合の出場。それも、途中出場でわずか10分程度プレーしたのみだ。

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