令和の高校サッカーで大流行の「三種の神器」とは? カギは客観的データの見える化 (4ページ目)

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi
  • photo by Morita Masayoshi

【大事なのは客観的データの"見える化"】

 3つのアイテムに共通しているのが、"見える化"だ。

 サッカーの育成年代を取材していると、指導者から「今の子どもは客観的なデータがあると頑張れる」との声をよく聞く。

 今夏のインターハイでもそうした事例は見られた。神戸弘陵学園高校の登録メンバーの平均体重が64kgだったのに対し、1回戦で対戦した青森山田高校の平均体重は72kg。数値として全国トップレベルとの差を見せられ、神戸弘陵は大会後今まで以上に食事の質にこだわり、筋トレに励む選手が増えたという。

 インターハイで準優勝した桐光学園高校のコーチングも同様だ。尚志高校との準々決勝で鈴木勝大監督は「3分、集中!」「今から10分、走れ」と、具体的な数字を用いて指示していたのだが、その理由についてこう明かす。

「今の子には具体的に伝えないと『うるさいな』となる(笑)。ただ『走れ』と言うと、『何分走るんですか?』と言われるので、具体的に伝えています。具体的な数字を言うと、アクションを起こしやすいし、スイッチが入りやすいんです」

『SOLTILO Knows』による個々のデータ計測も、『Veo Cam 2』でのプレー解析も、『NORM』の血液検査に基づくサプリメントも、パフォーマンス向上のための客観的な数字を求める選手たちのニーズがあって、広まっている。

 令和の高校サッカーの"三種の神器"とも言える3つのアイテムは、今どきの高校生の性格にばっちりハマっていたということだろう。

プロフィール

  • 森田将義

    森田将義 (もりた・まさよし)

    1985年、京都府生まれ。10代の頃から、在阪のテレビ局でリサーチとして活動。2011年からフリーライターとしてU-18を主に育成年代のサッカーを取材し、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿を行なう。

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