J1自動昇格残り1枠を得るのは清水エスパルスかジュビロ磐田かそれとも...大激戦の昇格争いを占う (2ページ目)

  • photo by Masashi Hara/Getty Images

超J2級の戦力を抱える清水が
熾烈なJ1自動昇格争いを制す可能性が高い

浅田真樹氏(スポーツライター)

 清水エスパルスとジュビロ磐田がそろって自動昇格する可能性は、FC町田ゼルビアの首位独走によってほとんどなくなり、それができるのは2位を確保できた一方のみ。それどころか、下を見ればわずかな勝ち点差で東京ヴェルディ、ジェフユナイテッド千葉も迫っており、共倒れの可能性もないわけではない。

 熾烈なJ1自動昇格争いの行方やいかに――。

 結論から言えば、争いを制する可能性が最も高いのは清水だろう。

 開幕直後こそ出遅れたが、その後、監督交代もあって状況は好転。最近2試合(1敗1分け)で勝利を逃して心配されてはいるが、そもそも超J2級の戦力を抱えているだけに、2位確保は十分可能なはずだ。得失点差のアドバンテージも大きなプラス材料である。

 対して磐田は、右肩上がりのチーム状態にあるとはいえ、戦力という点でも、勢いという点でも決定的な推し材料に欠け、総合的には清水に見劣るというのが、率直な印象だ。

 しかしだからこそ、両者の直接対決が残されている意味は大きい。勝ったほうがJ1自動昇格を手にする大一番――そう言いきってしまってもいいかもしれない。

 磐田はこれを制することで、残り4試合で清水との勝ち点差を4にまで広げることができ、自動昇格へ大きく前進。逆に清水が勝利すれば、磐田を抜いて2位に浮上することができ、そのまま逃げきる公算が高くなる。また、引き分けに終わった場合でも、両者の関係だけで言えば、清水有利と見る。

 ただし、両者痛み分けの場合には、東京V、千葉が漁夫の利を得る可能性が高まってくる。特に7連勝中の千葉は、奇跡の逆転自動昇格を視界にとらえ、さらに意気があがるに違いない。

 J1自動昇格へのラスト1枠を争う清水と磐田にとっては、引き分けすらも許されない必勝のダービーマッチになりそうだ。

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