Jリーグでスゴイと思ったDFトップ10 元日本代表・大黒将志が選んだ「アフリカ人みたい」「1シーズン30点分は止めていた」選手たち (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【間違いなく日本歴代ナンバーワン】

2位 井原正巳(元横浜F・マリノス、ジュビロ磐田、浦和レッズ)

 アジアの壁ですね。昔、小学生の頃にサインをもらったことがあって、それはうれしかった思い出です。選手として対戦させてもらった時は、マリノスではなく、浦和レッズでボランチとかをされていたんですけど、それもうれしかったですね。子どもの頃に憧れていた選手と一緒にプレーできて感動しました。

 DFとしては相手の縦パスに対して強く出ていけるし、対人守備もうまかったし、ヘディングの競り合いも強かったですよね。攻撃面でもフィードの精度もすごく高かったと思います。

 日本代表でプレーされている時もずっと見ていましたし、井原さんが止める姿はすごく覚えています。僕はFWですけど、井原さんはポジションとかではなく、サッカー選手としてすごく尊敬しているし、憧れていました。

1位 中澤佑二(元横浜F・マリノス、東京ヴェルディほか)

 マリノスでも日本代表でも一緒にやらせてもらいましたけど、本当によくブロックしてくれるし、止めてくれるので、マリノスの時はだいたい失点はゼロか1なんですよ。だから多少守備をサボっても守ってくれるし、結構サボっていました(笑)。

 もちろん、まったく守備をしていなかったわけではないですよ。ある程度パスコースを限定しておけば、あとは佑二さんが止めてくれるので。僕の感覚では1シーズンで30点分くらいは止めてくれていたと思いますね。それくらいの安心感があったし、僕は攻撃に専念させてもらえていました。

 練習の時に、ちょっとでもコントロールがずれるとボールを突かれていました。そういうちょっとのミスも逃さない感覚は、佑二さんくらいしかありませんでした。また、対戦相手としてやった時も、クロス対応でニアを消しながらファーも守れるんですよ。それができるのは、佑二さんと闘莉王くらい。

 最初はニアを消すようなポジションから、ファーにボールが来てもあの高さでちょっとだけ触れるんですよね。そのちょっとだけでボールの軌道がめちゃ変わるので、それによってシュートが打てなくなるんです。だからあのボンバーヘッドはそのためにあるんじゃないかと思いますね(笑)。

 井原さんと並んで、間違いなく、日本歴代ナンバーワンのDFだと思います。

大黒将志 
おおぐろ・まさし/1980年5月4日生まれ。大阪府豊中市出身。ジュニア時代からガンバ大阪の育成組織でプレーし、1999年にトップチームに昇格。ストライカーとして頭角を現し、2004年は得点ランク2位の20ゴール(日本人最高)、2005年はJ1初優勝に貢献。同年は日本代表のW杯予選でも活躍し、翌年のドイツW杯に出場した。2006年からフランスのグルノーブル、イタリアのトリノでプレーした後、2008年にJリーグに復帰。東京ヴェルディ、横浜FC、FC東京、横浜F・マリノス、杭州緑城(中国)、京都サンガF.C.モンテディオ山形、栃木SCに所属しゴールを取り続け、2021年に引退。現在はガンバ大阪のアカデミーコーチを務めている。

プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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