浦和のアレクサンダー・ショルツが感じている日本サッカーの課題 気になるゴール前の選択 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

【ショルツが感じている日本サッカー】

 第25節終了時点(8月26日)でリーグ最少19失点の浦和の堅守には、阿吽の呼吸で連係するショルツとホイブラーテンの"ノルディック・ペア"の存在が大きい。それぞれの能力の高さもさることながら、デンマーク人とノルウェー人の両者は互いの母国語も大まかに理解できるというのだ。

「言うまでもなく、フットボールをプレーする上で、コミュニケーションはものすごく大事だ。ピッチ上には、行くべきか、止まるべきか、迷う瞬間がいくつもあるが、周囲が的確に声をかければ解決できることが多い。

 その意味で、彼(ホイブラーテン)とはとても良いパートナーシップが築けていると思う。ノルウェー語とデンマーク語は、ノルディック語のなかでも近い言語で、私たちは咄嗟に出てしまう言葉さえもある程度は理解できるんだ。

 おそらくJリーグには、私たちと同じレベルの個人能力を持ったディフェンダーはいるが、我々ほど綿密に連係できるセンターバックのコンビはいないと思う。実際、コミュニケーションは日本のサッカーにもっと必要なもののひとつだ。

 あるいはそれは、大きな声を出すことが良しとされないこの国の文化に起因するものかもしれないけど、フットボールには絶対に欠かせないものだ。だからうちの(マチェイ・スコルザ)監督も、その点を強調している。彼にとって、最終ラインに二人の欧州出身者がいることは、その考えを全体に伝える意味でも役立っていると思う」

 日本サッカーの課題はコミュニケーション以外にもあると、ショルツは言う。

「一番は『有効性』にあると思う。言い換えれば、手数をかけ過ぎてしまうところ。日本人選手の技術や戦術的規律は実に高く、個々の能力にも優れているが、大事な決断をすべき時に、そうしない選手が多い。

 最大の例は、ストライカーがゴール前でシュートを打つべき時に、そうせずにもうひとつパスを選択すること。その瞬間を逃してしまえば、もうチャンスではなくなってしまう。これを改善するには、ミスを犯してもそれを咎められない環境を作る必要があるだろう」

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