Jリーグ7月のベスト11を独自選考 「今季最大の発見」「シーズンMVP級の活躍」を見せる選手たち (2ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【大迫勇也は今季MVP級の活躍】

 神戸が優勝を飾ったら、最優秀選手(MVP)の最有力候補は大迫勇也だろう。

 前線から守備をして、ボールを奪ったらショートカウンターで仕留めるという今シーズンの神戸だが、奪ったボールをすぐに展開できるのは前線に大迫というターゲットがいるからだ。

 ターゲットとしてポストプレーでチームの攻撃を組織化するとともに、スルーパスも出せるし、そして自らもゴールを狙える大迫。川崎戦の2ゴールによって得点王争いでもアンデルソン・ロペス(横浜FM)を抜いて単独トップに躍り出た。

 いずれは日本代表からも声がかかるであろう。

 この大迫と良好な関係を築き上げているのが武藤嘉紀。2人でボールを奪って、2人だけで相手ゴールを脅かせるのはすばらしい。大迫が代表復帰する時には、武藤にもチャンスがありそうだ。

 アンデルソン・ロペスの得点力もまったく落ちない。リーグ戦では湘南戦の2ゴールだけだったが、セルティック戦で2ゴール、マンチェスター・シティ戦でも1ゴールを決めている。

 そこで、大迫とアンデルソン・ロペスにツートップを組ませた。横浜FMでも最近はマルコス・ジュニオールが高い位置にいてツートップ気味でプレーしているので問題はないだろう。大迫がアンデルソン・ロペスにパスを供給するような形で機能するはずだ。

 左サイドには横浜FMのエウベルを起用した。

 横浜FMの前線のブラジル人トリオのなかで、7月に入って右のヤン・マテウスはお疲れ気味だが、今季はやや出遅れていた感もあったエウベルが元気を取り戻した。

 湘南戦、川崎戦ではエウベルのいる左サイドが攻撃正面だったし、マンチェスター・シティ戦でもスピードを生かしてカイル・ウォーカーに競り勝ち、またサイドバックの永戸勝也の攻撃参加を引き出した。

 永戸もこのところ好調で、オーバーラップ、インナーラップを繰り返して横浜FMの攻撃に多彩さを加えている。

 左右のバランスを取るために、右サイドバックにも攻撃参加の形を期待したいので、MFとしてもプレーできる山根視来を置いた。山根と武藤、大迫が組む右サイドも面白いコンビネーションが実現するのではないだろうか。

 セントラルMFとしては、川崎のジョアン・シミッチと神戸の齊藤未月を選んだ。

 シミッチは守備的なイメージが強いが、最近は攻撃の組み立てでも中心として安定したパフォーマンスを発揮している。また、齊藤は新天地の神戸で次第にチームに馴染み、地味ではあるが中盤で存在感を高めてきている。

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