低迷するレイソル「井原カラー」は降格圏脱出へカンフル材になっているのか (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

【前半と後半でスタイル一変】

 そして代表ウィーク明けとなった18節のアルビレックス新潟戦、柏は立ち上がりからあまりにも現実的だった。

「今日から後半戦のスタートということで、もう一度リセットしようと。最下位という順位から、少しでも勝ち点を積み上げて、今の順位を少しずつ上げていこうと今日のゲームに入りました」という指揮官は、「新潟は攻撃に特徴のあるチームですし、我々はここ数試合、失点が多くなっているなかで、この1週間、守備のところの意識をしっかり準備して試合に臨みました」と、プランを明かしている。

 もっとも、その慎重さが裏目に出た。

 全体的に重心が低くなり、絶妙な立ち位置を取る新潟のパスワークに翻弄される。奪っても前の人数が足りずにつなぐこともままならず、再び奪われては攻勢を浴び続けた。崩しのクオリティを欠いた新潟にも助けられゴールは許さなかったものの、攻撃に転じる場面はほとんどなく、前半はわずかシュート1本に終わった。

「持たれすぎた感じはあります。持たれすぎたのと、簡単に取られすぎた」

 そう振り返ったのは、高嶺朋樹だ。今季札幌から加入した左利きのボランチは「とりあえず前半はゼロで行きたいというのはありましたけど、もっと自分たちのゲームにできたと思います。前半は(パスコースに顔を出さず)隠れてしまうところがありましたし、取ったボールがすぐに取られる展開が多かった」と、チームとしての課題を指摘した。

 しかし、防戦一方の前半を何とか乗りきると後半、柏は打って変わって積極的な姿を見せる。最終ラインでしのいでいた守備は高い位置から奪いにいく守り方に変わり、新潟のパスワークを寸断。前に人数がかかる分、奪ってからの攻撃にもいい流れが生まれた。

「前から取りにいくことで、相手のロングボールが増えた。それをセンターバックのところで跳ね返せて、セカンドボールを回収という形が多くできたので、後半は自分たちの流れになったかなと思います」(高嶺)

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