熱戦 J2!「昇格の必須要素」と「熾烈な残留争いのポイント」を読み解く (5ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei
  • photo by Getty Images

【焦点は夏場をどう乗りきるか】

 ロアッソ熊本で主将を務める平川怜は、ついに才能を解放している印象だ。昨シーズン途中から熊本に在籍し、FC東京から完全移籍した今シーズンは、チームで唯一全試合フルタイム出場を続けている。3-3-1-3のシステムでトップ下を任され、ここまで4得点5アシスト。高強度でテンポよくプレーする熊本のスタイルに馴染みながら、持ち前の技術力と創造性を発揮している。FC東京でプロデビューを飾った23歳は、J1への返り咲きを現実的なものとしている。

 今シーズンのJ2は上位2チームがJ1に自動昇格し、3位から6位の4チームが昇格プレーオフを争う。プレーオフ圏をめぐる争いは、中位の14位から15位あたりまでが可能性を含む大混戦だ。

 残留争いは数チームに絞られつつあるが、夏の移籍市場で各チームの戦力に変化が生じるかもしれない。

 全42試合で争われるJ2は、夏場の攻防がポイントと言われる。7月、8月をいかに乗りきるかが、9月以降の終盤戦に影響してくるのだ。

 J1昇格やJ2残留へのサバイバルは、後半戦のスタートから本格化していく。

プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る