長谷川健太監督「就任2年目のジンクス」清水→15位から4位、G大阪→3冠達成、FC東京→優勝争い...名古屋は? (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

【足がつってしまう選手も...】

 堅守がウリの名古屋は、今季もこのストロングポイントを活かしたサッカーで、ここまで上位争いを演じている。

 もっとも昨季もリーグ最少失点を記録しながら、8位にとどまった。しかし今季は9節終了時点でヴィッセル神戸に次いで2位につける。昨季との違いについて守備の要を担う中谷進之介は、「カウンターが確実に鋭くなりましたよね」と即答した。

「今までもカウンターは持っていましたけど、去年の途中に(永井)謙佑くんが入って、今年はキャスパー(ユンカー)も入ったことで、カウンターに関しては明らかに相手も怖がっていると感じます。守備が堅いのは大前提で、ゴール前の精度を上げていけば、もっと点が取れると思うし、もっと上に食い込んでいけるのかなと思います」

 この日はユンカーがコンディション不良でスタメンを外れたが、ボールを奪えば永井とマテウス・カストロの2シャドーに加え、森下と内田宅哉の両翼も鋭く敵陣を突き進んだ。このカウンターの存在も、横浜FMのビルドアップを難しくした要因だったはずだ。

 しかし、完璧な前半を過ごしながらも勝ちきれなかった。追いつかれての引き分けは、前節の湘南ベルマーレ戦に続いての結末である。

 後半に隙が生まれたのは、守備の強度を前半ほど高められなかったことが原因だろう。奪いにいく守備ではなく、構える形となってしまった。「前半と後半で守備のやり方を変えたのか?」と問うと「変えざるを得なかった、という表現が正しいかなと思います」と中谷は答えた。

「もっと前半のように前から行きたかったんですが、体力的な問題もあったと思います。前線はカウンターで出ていく回数も多いので、どうしてもスプリントの回数が増えて、守備に労力を割けきれなかったのかなと」

 たしかにこのスタイルは、攻撃陣に負担がかかるものなのだろう。DFのように振る舞っていた酒井は68分に足をつり、ピッチを退いている。

 また、中谷は前節に続いて守りきれなかったことについて「そこは課題ですね。今日はこっちに得点のチャンスがあって、向こうのチャンスはそこまで多くなかったなかで、失点してしまったので。守備が堅い名古屋としては悔しい結果になってしまった」と唇をかんだ。

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