乾貴士「楽しくやれてます」権田修一「J2で勝って満足はしていない」エスパルスを覚醒させた秋葉新監督の手腕とは? (3ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【GK権田修一は精神的支柱】

 4月22日に行なわれたJ2リーグ11節の大宮アルディージャ戦では、乾が20分にゴールネットを揺らした。3-0の勝利を呼び込む先制弾は、「日本ではたぶん初めてのヘディングシュート」であり、Jリーグ通算150試合出場の節目を飾るシーズン初ゴールでもあった。それでも、「たかが1点なので、まだまだここからですね」とさらりとしたものである。

 乾に続いてチーム2点目を決めたカルリーニョス・ジュニオも、途中出場でダメ押しの3点目を蹴り込んだ神谷優太も、シーズン初得点だった。激化するポジション争いが、ベテランMFの表情を引き締まったものにしているのだ。

「スタメンやから上の立場とかじゃなく、特に前の選手は誰が出てもホントにおかしくない。前の試合で点を取っている選手もたくさんいたので、同じかそれ以上のクオリティを見せないと、いつ出られなくなってもおかしくないぐらいの危機感を持って試合に入れている。それはすごくいいことだと思いますし、ホントに誰が出てもいいサッカーができている。それがこのチームの今の強みじゃないかなと思います」

 精神的な支柱となっているのは権田だ。

 秋葉監督就任後は4試合で12得点2失点と、攻撃と守備が噛み合っている。11節終了時点の順位も10位まで上げてきている。権田自身は2試合連続でクリーンシートを記録しているが、「勝ち続けることを考えたら、もっともっとこだわらないと」とチームを鼓舞する。

「勝っているからすべてOKじゃなく、勝ちながら修正していくことが大事だと思います。監督はどこが相手でも絶対的な力を見せつけろと言っているので、それを考えたらまだまだ物足りないですし、勝っているうちに修正すべきところを修正しておくことが大事です。昇格するには25勝ぐらいしないといけないので、そもそもウチはすでに追い込まれています」

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