「日本サッカー界の大きな問題」解決に取り組むカレン・ロバート 経営クラブの野望は「木更津からプレミアリーグへ」 (4ページ目)
当然、その先にカレンが見据える夢は、ローヴァーズからイングランド・プレミアリーグでプレーする選手を送り出すこと。
「僕の夢を、ローヴァーズの子どもたちが代わりに叶えてくれたらな、って思っていますし、そうなってくれれば、僕も見に行けますからね(笑)」
と同時に、ローヴァーズ自体もJリーグ入りを「もちろん、目指しています」。カレンはきっぱりとそう言いきる。
「クラブとしてのJリーグ入りと、選手個人のキャリアアップ。僕らはそのふたつを目標に、あくまでもステップアップクラブを目指しています。近い将来、海外クラブに選手を送り出し、それによってトレーニングフィー(移籍先クラブから受け取る育成費)や、移籍金(違約金)の何パーセントかを受け取るということが、たぶん日本でも当たり前になってくると思うので。僕らが目指すのは、日本最高峰の育成型クラブなんです」
そこでは、カレン自身が世界各国で直接経験してきたこと、すなわち、さすらい人だからこそ見ることのできた景色が、間違いなく前へと進む糧になっている。
「僕は25歳でオランダへ行きましたけど、ジュビロだったら相当若手のほうだったのに、オランダのチームメイトは20歳前後の子ばっかりで、もうおじいちゃんみたいな扱いになって(笑)。だから、1年でも早くヨーロッパでプレーしたほうがいいんだなって。1年でも若いほうが選手としての価値があるんだなって。それは行ってみて、初めて知ったことです。
もしローヴァーズのアカデミーからそういう選手が出てくるんだったら、Jリーグで2、3年やってからっていうのもいいとは思うんですけど、できるだけ早く(海外へ)出してあげたい。その時は、それをサポートしてあげたいなと思っています」
(文中敬称略/おわり)
カレン・ロバート
1985年6月7日生まれ。茨城県出身。市立船橋高卒業後、2004年にジュビロ磐田入り。2年目の2005年に31試合出場13得点を記録して新人王に輝く。2010年夏にロアッソ熊本に移籍し、2010-2011シーズン途中からオランダのVVVフェンロに加入。以降、タイ、韓国、インドのクラブを渡り歩いて、2018年にイングランド7部のレザーヘッドFCでプレー。2019年に現役を引退。自身が立ち上げた房総ローヴァーズ木更津FCの運営に専念する。
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