「無敗だったのは偶然ではなかった」アルビレックス新潟 今季初黒星もポジティブな印象は変わらない

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 今季開幕からリーグ戦4試合で2勝2分けは、第4節終了時点でJ1唯一の無敗。J1昇格1年目ながら、絶好のスタートダッシュで注目を集めていたアルビレックス新潟が、ついに初黒星を喫した。

 J1第5節、アウェーに乗り込んでの浦和レッズ戦。新潟は前半10分、MF太田修介のゴールで先制するも、前半35分と45+2分に、いずれも自陣ゴール前での混戦からシュートを決められての逆転負けである。

 1点を追う後半は、「(得点を)取りにいかなければいけないので前がかりの戦い方にはなった」(新潟・松橋力蔵監督)ものの、決定機と呼べるチャンスは作れずじまい。冷たい春の雨が降り続いた試合で、新潟は文字どおり、快進撃に水を差される格好となった。

「J1は甘くないと、この90分で突きつけられた」

 古巣との対戦に敗れ、悔しそうにそう語ったのは、新潟のMF伊藤涼太郎である。

 今季すでに2ゴールを挙げている伊藤は、優れた技術と多彩なアイデアを駆使し、好調なチームをけん引。新潟の多くのチャンスが、この背番号13経由で生まれてきたと言っても大袈裟ではない。

 しかし、この日は浦和のダブルボランチにしっかりとケアされ、時間的にも、空間的にも、自由を与えてはもらえなかった。

 時折、相手選手に囲まれながらも巧みにボールをキープし、(多くが浦和ファンであるはずの)スタンドをざわつかせるシーンもあったが、決定的な仕事をするまでには至っていない。「ボールを持った時だけでなく、動きの工夫が必要だった。真ん中で何とかしようとしすぎた」とは、本人の弁だ。

アルビレックス新潟の攻撃を引っ張る伊藤涼太郎。この日は浦和レッズの厳しいマークに苦しめられたアルビレックス新潟の攻撃を引っ張る伊藤涼太郎。この日は浦和レッズの厳しいマークに苦しめられたこの記事に関連する写真を見る

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