「僕のことは見本にしないほうがいい」柿谷曜一朗は徳島をJ1昇格させるために「ダサい試合をしても勝つ」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

── 12年前と比べると、徳島というクラブ自体もJ1を経験するなど大きく変化しましたよね。

「僕がいない間にかなり大きくなっているので、うれしい反面、僕がもっと大きくしたかったなと。ただ、可能性はすごく秘めているので、もっともっと大きくなれるクラブだと思います。徳島県民を巻き込んだいろんなプロジェクトをやっていますし、そこに少しでも力を貸せるならと思っています」

── J1昇格も当時より現実味のあるミッションとなっていますよね。

「ここのサッカーをしたい、と思う選手も多いですよね。僕自身も面白いサッカーをするなと感じていましたから。そういう部分も含め、今の徳島には魅力がありますし、徳島のためになりたいという気持ちはより強くなっています」

── 今年の1月で33歳になりました。サッカー界ではベテランと呼ばれる年齢かと思いますが、ベテランになったと感じることはありますか。

「年齢とか、プロ入り何年目とか、そういう数字を見ると感じますね」

── プレーしているうえでは感じない?

「昔から要領よくやってきましたからね。別に身体が動かないことはないですし、そもそもやらなくてもいいことはしないので、プレーするうえで衰えを感じることはないですよ」

── J2でプレーするのはバーゼルからセレッソに復帰した2016年以来ですが、そこに対する不安はありませんか?

「2016年の時と気持ちは似ていますね。でも、その時と似てないのは、J2のレベル。明らかにレベルが高くなっていますよね。

 甲府が天皇杯で優勝したこともそうですけど、J2とJ1の差は10年前と比べてもなくなってきている。それだけ見る目のある強化部長が揃っているということだと、僕は思います。いいサッカーをするチームは多いし、いい選手が増えたと思いますね」

── そのなかでJ1昇格を目指す戦いが始まりますが、柿谷選手はどのような思いで今季に臨むのでしょうか。

「とにかくチームを勝たせること。それに尽きます。たとえ僕がいいプレーをしようが、チームが勝たなければ意味がない。大事なのはチームの状態なので、雰囲気であったり、勢いであったり、常に相手よりも優っている状態で試合に臨めるようにしていきたいです。

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