J2ウォッチャー平畠啓史が推す2023シーズンの注目選手。「ものすごい活躍をしそう」「サッカーの楽しさが伝わってくる」「清水のモドリッチ」ら7人 (2ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

【新天地で楽しみな選手たち】

安藤智哉(DF/大分トリニータ)

 身長が190cmある大きな選手です。FC今治で2年すごしていますが、昨年は29試合に出場しています。高身長ですが華奢ではなく、動きも重くない。キックが正確でPKを任されていました。対人能力も高い。

 昨年、衝撃的なシーンがあったんですが、今治が攻められていて山なりのシュートを安藤選手がヘディングでクリアして失点を防いだんです。けれど、その後頭がそのままクロスバーに当たった。長年サッカーを見ていますが、そんなシーンは初めて見ました! 身長だけじゃなくジャンプ力もあるんですよ。このシーンは本当に驚きました。

 J3のベストイレブンにも選ばれましたが、本当にいいDFです。キックもうまいし、対応力も高い。大分は本当にいい補強をしたなと思います。試合にも絡んでくる選手だと思うので、みなさんに注目してほしいです。

櫻川ソロモン(FW/ファジアーノ岡山)

 190cmある大きいFWですが、こうした選手がどんどん出てきてほしいと思っています。櫻川選手がボールキープしたら、もうボールを取れないですよね。昨年はボールを1回受けてはたいて、またゴール前に入っていくというシーンがだいぶ増えてきました。ゴールへの意識がだいぶ高まっている感じがします。

 岡山はチーム全体でしっかり守備をするチームですが、そのなかでFWが前線で2秒でも3秒でもボールをキープしてくれたら、全然局面が変わるじゃないですか。得点の部分も期待されますが、前線でタメを作ることも求められますよね。それができる選手だと思います。

 岡山は昨年活躍したいい選手も残っているので、前線に新しい柱ができたら、またいろいろいいほうに変わっていきそうですよね。

沼田駿也(FW/FC町田ゼルビア)

 昨年(レノファ山口)の序盤、大卒1年目ながら本当によかったんですよ。沼田選手は個でも突破できるし、コンビネーションでも崩していけるし、さらにゴール前にも入っていける。すごく現代的な選手。

 ワールドカップを見ていても、現代ってサイドの選手がいろんな形でどれだけ崩せるかというのがポイントですよね。沼田選手はそういった意味でも面白い選手で、今年は町田に移籍ということで、やっぱり見ている人はちゃんと見ているんだなと思いました。

 大卒1年目であれだけ活躍したので、2年目は本当に大事な年になると思います。同じチームじゃなくて、環境を変えたことも意味があると思います。同じチームで活躍するのも大事ですが、環境をどんどん変えていくのも同じぐらい大事なこと。大卒1年目で結果を出して、チームを変えてまた結果を出したら、これは本当にその選手の実力。だから楽しみにしています。

 町田にはいわてグルージャ盛岡からMF奥山洋平選手も加入していて、この選手もサイドを崩せるんですが、沼田選手とは違ってとにかく縦に走りまくる選手で、2人の色合いの違いが面白いことになりそうです。

 大卒1年目で活躍してさらに2年目で活躍した選手って、右肩上がりにどんどん成長していくじゃないですか。三笘薫選手がまさにそうです。そういった意味でも大卒2年目ってすごく大事な年だと思うので注目したいです。チームにフィットすれば昨年以上に活躍するんじゃないかと思います。

 ちなみに沼田選手も僕も高槻出身なので、同じ高槻出身として注目しているところもあります(笑)。

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